Alphabet Inc.ってどんな会社?
会社概要
Alphabet Inc.の会社概要は以下のとおりです。
- 本社所在地:カリフォルニア州
- 設立:1998年
- 事業内容:検索エンジン、動画サイト、スマートフォン向けOS、クラウド事業
- 売上高:2,576億ドル(2021年12月期)
- 従業員数:156,500人
ちなみに社名のgoogleは10の100乗という意味のgoogolからきているそうです。
株価の推移
アルファベットの2021年12月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりとなっております。
株価は順調に上昇しています。特に2020年ごろからは急激に上昇していることがわかります。
損益計算書分析
アルファベットの2021年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。(1ドルあたり115円で換算しております。)
売上高の内訳
アルファベットの2021年12月期の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。
売上のうち最も大きな割合を占めるのがGoogle広告事業です。Google全体の売上の80パーセント以上を占めています。最近はYouTubeの勢いがすごいですがまだまだGoogleの検索エンジン等からの収益の方がずっと大きいことがわかります。
Googleネットワークメンバーは、ネットワークメンバーが持っている媒体に広告を掲載することによって得られる売上となります。ネットワークメンバーに対して広告料を支払うため利益率は低くなるようです。
次いで大きいのはGoogleのその他事業です。こちらは主にスマートフォンOSのアンドロイド関連の売上が含まれているようです。スマホゲームの決算書分析した際に発見したことですが、アンドロイド携帯で課金した場合には約30%がGoogleに手数料として入るようです。つまりアンドロイド端末をつかって課金すればするほどGoogleが儲かる仕組みになっています。
GoogleクラウドはGoogleが提供するクラウドサービスでデータストレージやデータ分析、機械学習などができるようです。成長が著しい事業ですが、2021年12月期は赤字の事業となっております。
アルファベットの地域別の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。
アメリカ、ヨーロッパといった先進国向けの売上高が大きいことが分かります。
費用の内訳
アルファベットの2021年12月期の費用の内訳は以下のとおりとなっております。
費用についてはあまり詳細な開示はありませんでした。売上原価で大きな金額を占めているのはTAC(trafic acquisition cost)となっております。Googleの検索エンジンへ誘導してくれた、ブラウザプロバイダーや携帯キャリアー、端末メーカーへの支払いや、Googleネットワークパートナーへの支払いに関する費用が計上されています。
研究開発費も3.6兆円と巨額の費用が計上されています。2年前に分析した時は約2.8兆円でしたから更に増えております。
販管費も割合こそ小さいものの約4.2兆円もの金額が計上されております。従業員数が15万人ぐらいですから1人当たり給料を1千万円払ったとしても1.5兆円です。人件費以外で一体どのようなコストがかかっているのか気になるところです。
業績の推移
アルファベットの2021年12月期から過去5年間の業績の推移は以下のとおりとなっております。
売上、利益ともに順調に成長していることが分かります。特に2021年12月期は大きく伸びていることが分かります。
アルファベットの2021年12月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。
- 検索エンジンの広告事業が収益の柱
- 研究開発に毎年巨額の投資をしている
- クラウド事業はライバルに対して出遅れている
貸借対照表の分析
2021年12月期のアルファベットの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。
資産の中で大きな割合を占めるのは有価証券となっております。余剰資金が豊富にあり、国際等の債権を中心に運用を行なっております。
ついで大きな金額を占めているのは有形固定資産となっております。2年前に分析をした際には8.1兆円でしたから、更に増えており、最近では毎年2.5兆円前後の投資を行なっております。
固定資産で大きな金額を占めるのは土地、建物、情報技術機器となっており主にクラウド事業関連の資産が計上されていることが想定されます。
まとめ
今回はGoogleの親会社のアルファベットを取り上げました。2年前に分析した時にもすでに超がつくほどの優良企業でしたが2年の時を経ても全く変わらず超優良企業でした。利益率が非常に高い広告事業が成長を続けており毎年潤沢なキャッシュを生み出し続けています。広告事業は一体いつまで伸びるのでしょうか。
クラウド事業の売上は倍増していましたが、まだ赤字が続いておりアマゾンやマイクロソフトの後塵を拝しているという状況です。
同じく広告で毎年巨額の利益を稼いでいるメタは、事業の転換を目指してメタバースへ投資を加速させています。アルファベットが巨額の利益を今後何に投資していくのか注目していきたいと思います。
総合評価
以上を踏まえ筆者のAlphabet Inc.の財務数値の評価は以下の通りです。