海外企業の分析

BEYOND MEAT, INC 決算分析

BEYOND MEAT, INCってどんな会社?

BEYOND MEATの会社の概要は以下のとおりです。

設立から10年ちょっとですが代替肉が注目を集めており売上を急激に伸ばしている会社です。

株価の推移

BEYOND MEATの2019年5月からの株価の推移は以下のとおりです。

上場以来株価は大きく変動していることが分かります。

損益計算書分析

BEYOND MEATの2020年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

粗利率は約30%となっています。粗利から販管費等を差し引いた営業利益は50億円の赤字となってしまっております。

BEYOND MEATは肉の構造を分子レベルで研究を行い、より本物に近い代替肉の製造を行っています。代替肉の原料は大豆から抽出したタンパク質使って製造をしているようです。

代替肉の値段について

代替肉の値段はどのぐらいなのでしょうか。通常の肉と比べて高ければ普及は難しいかもしれません。BEYOND MEATの決算書には販売重量のデータがあったので計算してみましょう。

1キロ当たり約1,272円となりました。卸売業者や小売業者への販売価格ですから、実際にスーパーで買おうとするとこれよりも2割〜3割程度高いことが想定されます。通常の肉とそれほど変わらない値段で販売していることが分かります。

粗利率は約30%となっており、代替肉の製造にはそれなりにコストがかかっていることが分かります。

売上高の内訳

BEYOND MEATの売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

売上の約8割がアメリカ国内向けの売上となっています。2020年12月期は新型コロナウィルスによりレストランの休業が相次いだことかレストラン等の事業者向けの売上は小さくなり、スーパー等の消費者向けの割合が大きくなっています。

過去5年間の業績の推移

BEYOND MEATの過去5年間の業績の推移は以下のとおりです。

売上はすごい勢いで増加していることが分かります。一方で利益はまだ赤字の状況が続いております。

貸借対照表分析

BEYOND MEAT2020年12月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

総資産は約482億円となっています。メーカーであるため棚卸資産、有形固定資産が比較的大きな金額を占めています。

棚卸資産の回転期間は5.1ヶ月と長期化しています。原料の購入契約を長期で結んでおり、新型コロナウィルスにより想定よりも販売が伸びなかったことから、原料在庫が増えているようです。

有形固定資産は主に製造関連設備が計上されていることが想定されます。ミズーリ州に2つの工場があります。今後はオランダ、中国にも生産拠点を拡充していく予定があるようです。

まとめ

今回は代替肉の製造販売事業を行なっているBEYOND MEATを取り上げました。人口増加により食肉需要が高まことが予想されます。畜産業が拡大すれば、森林破壊や水資源の不足の原因となると言われており代替肉はこれらの問題を解決する手段として期待されています。そのため代替肉の市場は今後も大きく伸びると期待されています。ここ数年で売上は大きく伸びているものの2020年12月期の売上高は約420億円とそれほど大きくはありません。一方で時価総額は1兆円近い金額となっております。今後代替肉市場がどの程度拡大するか、また市場が拡大したのちに大手の食品メーカーが参入してきたときに競争に勝ち残れるかどうかに注目していきたいと思います。

総合評価

以上を踏まえ筆者のBEYOND MEATの財務数値の評価は以下の通りです。