日本企業の分析

ダイキン工業株式会社 決算分析

ダイキン工業株式会社ってどんな会社?

会社概要

ダイキン工業株式会社の会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:大阪府大阪市
  • 設立:1934年
  • 事業内容:空調・冷凍機、化学、油機及び特機製品の製造販売事業
  • 売上高:2兆4,933億円(2021年3月期)
  • 従業員数:84,870人(2021年3月)

ダイキンは飛行機用のラジエーターの製造会社として事業をスタートしました。1970年代にルームエアコン事業へ本格参入し事業を拡大しました。

株価の推移

ダイキン工業株式会社の株価の推移は以下のとおりとなっております。

過去5年間で株価は大きく上昇していることがわかります。

損益計算書分析

ダイキン工業の2021年3月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

売上高は2兆4,933億円、粗利率は34%、営業利益率は9.5%となっております。粗利率はそれほど高くありませんが、販管費を抑えてしっかり利益を確保しています。

売上高の内訳

ダイキン工業の事業別の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

世界シェアNo.1の空調事業が大半の売上を占めています。全体の6%を閉める化学事業はフッ素樹脂が主力製品のようです。割合は小さいものの1,641億円の売上があり、しっかりと利益をあげている黒字の事業です。

販管費について

ダイキン工業の2021年3月期の販管費の内訳は以下のとおりとなっております。

最も大きな金額を占めているのは人件費です。主力製品の業務用エアコンは不動産デベロッパーや建設業者が得意先となります。納入後も保守や点検があり得意先とは長い付き合いになることが想定できます。世界各地に営業拠点を置き、たくさんの営業スタッフを雇っていることが予想されます。

研究開発費が538億円計上されています。エアコンにこれだけの研究開発費を投入できるのは世界中でダイキンだけではないかと思います。エアコンのエネルギー消費は非常に大きいため、地球環境の保全のために使命感を持って開発に取り組んでいるようです。

地域別の売上高の内訳

ダイキン工業の地域別の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

日本とアメリカがそれぞれ1/4、それ以外の地域で半分を占めるという構成になっています。非常にバランスが取れた売上構成となっていることがわかります。

過去5年間の地域別の売上高の推移は以下のとおりです。

過去5年間で売上構成に大きな変化はないようです。

2021年3月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。

貸借対照表の分析

ダイキン工業の2021年3月期のの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

資産総額は3.2兆円となっております。売掛金の回転期間は2.2ヶ月、棚卸資産の回転期間は3.4ヶ月となっております。

有形固定資産が6,474億円と比較的大きな金額が計上されております。日本の他に中国、タイ、アメリカ、ベルギーに大規模な生産拠点を保有しており、工場や生産設備関連の資産が計上されているようです。

自己資本比率は約52%となっており財務体質は健全です。

まとめ

今回はエアコンで世界TOPシェアを誇るダイキン工業株式会社を取り上げました。費用構造が自動車メーカーに似ているという印象を受けました。生産拠点では多くの従業員を抱えており、組み立ての大部分が手作業により行われている点も似ていると思います。

過去の業績の推移を見ると非常に安定していることがわかります。エアコンは生活必需品であり、今のところエアコンに変わる代替品も出現していないことから今後も安定して利益を計上していくことが期待できます。

総合評価

以上を踏まえ筆者のダイキン工業株式会社の財務数値の評価は以下の通りです。