海外企業の分析

Domino’s Pizza, Inc. 決算分析

会社概要

Domino’s Pizza, Inc.の会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:アメリカ合衆国 ミシガン州
  • 設立:1960年
  • 事業内容:宅配ピザチェーンの運営
  • 売上高:約41億ドル(2020年12月期)
  • 従業員数:14,400人

ドミノは世界最大の宅配ピザチェーンで世界で17,000以上の店舗があります。日本へは1985年に進出をしています。

株価の推移

ドミノピザの2020年12月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりとなっております。

株価は右肩上がりで推移をしていることがわかります。

損益計算書分析

ドミノピザの2020年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。(1ドルあたり103円で換算しております。)

売上高は約4,240億円、粗利率は約38%、営業利益率は約17%となっております。

ドミノピザの店は全世界で17,000以上もありますので、売上高を見て意外と小さいと思った人もいるでしょう。17,000点店舗も展開しているのに売上高が意外と小さいのは店舗の展開方法に理由があります。以下はドミノピザの店舗の内訳です。

直営店は2%しかなく、ほとんどがフランチャイズ形式で展開していることが分かります。

以上を踏まえて売上の内訳を見ていきましょう。

ドミノピザの売上高の内訳は以下の通りです。

もっとも大きな金額を占めているのはサプライチェーン売上となります。内容としては、ドミノピザの工場で製造した生地や加工済みの野菜をフランチャイズ店へ販売する事業です。売上は大きいものの、原価率もそれなりに高い事業であることが推定できます。

やはり注目すべきはロイヤリティ収入でしょう。アメリカ国内と海外を合わせて約770億円の収入があります。ロイヤリティー収入は原価がかからずほとんどそのまま利益になりますからドミノの最大の収益源であることがわかります。

フランチャイズ広告収入は、ドミノピザがフランチャイズ店の代わりに広告を出す対価として、フランチャイズ店から広告料を受け取っていることによる収入となります。ほぼ同額が広告宣伝費(フランチャイズ)として計上されています。

過去の業績の推移

ドミノピザの過去7年の業績の推移は以下の通りとなっております。

ドミノピザの業績は右肩上がりで推移をしていることがわかります。売上はこの7年で約2倍、利益は約3倍に成長しました。

ドミノピザの2020年12月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。

貸借対照表の分析

ドミノピザの2020年12月期のの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

まず注目すべきポイントは負債>資産となっており債務超過の状態にあるということです。赤字が累積して債務超過になっているわけではなく、自社株買いを積極的に行ったことによる債務超過となっているようです。

これだけ大幅な債務超過であっても資金の貸し手がいるのは、安定したロイヤリティ収入があるからでしょう。

固定資産、使用権資産が合計で540億円計上されています。自社店舗や記事や野菜の加工工場が計上されていることが想定されます。

まとめ

今回は世界最大の宅配ピザチェーンであるドミノピザを取り上げました。宅配ピザの原価がどのぐらいか分かると期待していたのですが、フランチャイズ方式を取っていたため分かりませんでした。

フランチャイズ方式であるため、自社のリスクを抑えながら店舗展開を進めることができます。そしてドミノピザは世界各国に展開しており急成長を遂げています。新型コロナウィルスの影響で家で食事をとる機会は増え、宅配需要は増えていますから今後しばらくは好調な業績が続くのではないかと予想できます。業績は好調とはいえ大幅な債務超過の状態が続いている点は心配されます。

総合評価

以上を踏まえ筆者のドミノピザの財務数値の評価は以下の通りです。