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勝手にGAFA合併させてみた。どんな財務諸表が出来上がる?

世界を席巻するGAFA

世界最大の検索エンジンやYoutubeを傘下に持つGoogle、世界で初めてスマートフォンを発売し世界で最も高い時価総額を誇るApple、世界最大のSNSを運営するFacebook、eコマース、クラウドコンピューターで世界を席巻するAmazon、今やこの4社の製品やサービスを利用しない日は無いという人も多いのではないのでしょうか。これらの会社は1社単独でも兆単位の利益を計上している超巨大企業です。今回はそんな4社を勝手に合併させてみました。どんな財務諸表が出来上がるのでしょうか。4社を合併させた会社を株式会社GAFAと名付けて見て行きましょう。

株式会社GAFAの財務諸表

株式会社GAFAの損益計算書

株式会社GAFAの損益計算書は以下の通りとなります。(1ドルあたり103円で換算)

なんと売上高は95.6兆円となっております。日本の国家予算と同じぐらいの金額となっております。営業利益は16.7兆円、当期純利益は15.2兆円となります。売上高の内訳は以下の通りとなっております。

売上のうち最も大きな金額を占めているのがAmazonストア関連の売上です。意外に思えるかもしれませんが、Amazonがeコマース事業を展開している国はそれほど多くありません。アメリカ向けの売上が多くを占めており、利益率が低い事業となっております。

次いで大きな金額を占めているのは広告売上となっております。広告売上は主にGoogleとFacebookの事業領域となります。検索エンジン、Youtube、Facebook、インスタグラムといった世界中で利用されているサイトを運営しており莫大な広告収入を生み出しています。非常に利益率が高い事業です。

アップル製品売上は約22兆円となっております。このうちIphoneの売上が約半分を占めております。

クラウドサービス等の売上が約6兆円となっております。AmazonとGoogleが展開している事業で成長が著しい分野です。利益率も高く今後はこの事業が稼ぎ頭になるでしょう。

研究開発費について

株式会社GAFAの研究開発費は以下の通りです。

Amazonの研究開発費は開示されていないため正確にはわかりませんが6.6兆円もの巨額資金を研究開発に投じることができます。もはや他社が対抗できない規模です。

株式会社GAFAの貸借対照表

株式会社GAFAの貸借対照表は以下の通りとなっております。

総資産はなんと115兆円となっております。現預金と余剰資金を運用している有価証券は38兆円となっております。大手銀行並みの資産規模となっております。

資産のうち最も大きな金額を占めているのが有形固定資産となっております。アップルは製造を外部に委託していますし、GoogleやFacebookはIT企業であるためあまり有形固定資産を持っていないイメージを持っていた人も多いのでは無いでしょうか。計上内容は主にAmazonとGoogleで計上をしているクラウドサービス等に使用するデーターセンターやサーバー設備となっております。成長が著しい分野ですので今後も増え続けることが想定されます。

のれんの計上額は約5.6兆円となっております。GAFAは新興のベンチャー企業を巨額の資金で買収をしていると言われていますから、巨額ののれんが計上されているイメージがありました。確かに巨額ですがGAFAの規模を考えればそれほど大きな金額ではありません。

自己資本比率は45%となっており財務体質は比較的健全な水準にあります。

まとめ

今回はGAFAを取り上げました。Google、Apple、Facebook、Amazonは適切な競争環境が生まれないといった理由で解体論が出てくるほど1社あたりの力が強大なものとなっております。そんな4社をあえて合併させた場合にはどんな会社ができるのかという、単純な好奇心からこの記事を書いてみました。予想通り超巨大企業が誕生しました。利益は15兆円もあります。1,000億円利益を計上するような大企業が150社集まるぐらいの規模ですから途方も無い数字です。これだけ利益を計上しているGAFA4社の時価総額は2020年12月時点約579兆円となっております。PERを計算すると38倍ですから一般的に言えば割高な水準にあると言えますが過去の成長を考えれば、バブルとまでは言えないでしょう。GAFAとひとくくりにされる4社ですが、事業内容はそれぞれ大きく異なっております。10年後、20年後にGAFAがそれぞれどのような会社になっているか非常に楽しみです。私はGAFAの中では1番規模が小さいものの先進技術の開発に積極的Facebookに期待をしています。