日本企業の分析

株式会社堀場製作所 決算分析

株式会社堀場製作所ってどんな会社?

株式会社堀場製作所は京都市に本社を置く測定機器の製造販売事業を行なっている会社です。2019年12月期の連結売上高は2,002億円、連結従業員数は8,299人となっております。その歴史は古く1945年に創業者である堀場雅夫が堀場無線研究所を立ち上げたことに始まります。1971年には大阪証券取引所市場第二部と京都証券取引所へ上場を果たしました。海外向けの売上割合が約7割を占めており、グローバルな会社となっております。

各種指標及び株価の推移

株価の推移

株式会社堀場製作所の2019年12月期から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。

株価は2018年までは上昇傾向にありましたが、その後は上がり下がりを繰り返しているようです。

各種指標(2019年12月時点)

株価収益率(PER) 19.96倍 

株価純資産倍率(PBR)  1.80倍

損益計算書分析

2019年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

売上高の内訳

株式会社堀場製作所の2019年12月期の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

自動車計測システム機器の売上が約4割を占めてます。エンジンやブレーキ等の自動車開発で使用する試験機器が主な製品になります。半導体や医療分野の売上も大きく、様々な分野で堀場製作所の計測機器が使われていることが分かります。

粗利率について

粗利率は約41%と比較的高い水準にあります。以下は2013年12月期の単体の製造原価の構成比です。(少し古い情報ですので参考程度にご覧下さい。)

材料費や外注加工賃が大きくなっており、変動費が大きい費用構造になっていることが分かります。

販管費の内訳

2019年12月期の販管費の内訳は以下のとおりとなっております。

最も大きい費目は給料手当となっております。販売している製品は様々な分野の測定機器等であり、世界各地に販売、サービス拠点があるため人件費が大きくなっているようです。また研究開発費も約162億円となっており、研究開発にも力を入れていることが分かります。

貸借対照表分析

株式会社堀場製作所の2019年12月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

売掛金の回転期間は3.5ヶ月となっております。棚卸資産の回転期間は5.2ヶ月と長くなっております。世界各国で販売しているため積送在庫が多くなっているのでしょう。

現預金>流動負債となっており債務の支払い能力には全く問題なさそうです。有形固定資産は建物や機械装置といった製造設備関連の固定資産が計上されており、2019年12月期の減価償却費は約84億円となっております。

セグメント別分析

セグメント別の売上高の推移は以下のとおりとなっております。

売上高は全体としては増加傾向にあるようです。最も大きな売上を占めているのが自動車計測システム機器事業です。

セグメント別の利益の推移は以下のとおりとなっております。

利益は半導体システム機器事業が最も稼いでいることが分かります。非常に利益率は高くなっておりますが、業績の変動が大きくなっております。

まとめ

今回は測定機器大手の株式会社堀場製作所を取り上げました。堀場製作所は様々な分野の測定機器を製造しており安定感があるのが特徴です。なかでも自動車、半導体の2つの事業が稼ぎ頭となっております。

自動車関連の測定機器事業は売上が最も大きく比較的業績は安定的に推移しているようです。自動車産業は100年に1度の変革期を迎えていると言われており、電動化が進めば少なからず影響は受けると思います。半導体システム機器部門は稼ぎ頭ですが、業績の変動が大きい部門となっております。5G通信の普及で半導体需要が伸びるため、今後も大きく成長することが期待できます。

今後は自動車の電動化への対応と、医用システム機器事業を第3の柱に育てることができれば、さらに安定した企業になると思います。

総合評価

以上を踏まえ筆者の株式会社堀場製作所の財務数値の評価は以下の通りです。