日本企業の分析

花王株式会社 決算分析

花王株式会社ってどんな会社?

花王の会社概要は以下の通りとなっております。

株価の推移

花王の2020年12月から過去5年間の株価の推移は以下の通りとなっております。

株価は日経平均と概ね連動した動きをしていることが分かります。

損益計算書分析

花王の2020年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

粗利率は約42%、営業利益率は12%と非常に収益性が高いことが分かります。

売上の内訳・セグメント別の業績

花王は以下の事業を展開をしております。

各事業の業績の概要は以下の通りです。

売上高は5つの事業によりバランス良く構成されていることが分かります。一方で利益はファブリック&ホームケア事業が稼ぎ頭となっております。アタックやクイックルワイパーといった製品は収益性が高いようです。

コロナの影響を大きく受けた化粧品事業

化粧品事業の売上と利益は以下の通りです。

花王の化粧品事業は2006年にカネボウ化粧品を買収したことにより大きく飛躍しました。2019年には約413億円もの利益を計上しており稼ぎ頭となっておりました。

しかし新型コロナウィルスの流行により外出の機会が減ったことに伴い売上が大きく減少してしまいました。売上が大きく減少した時期であっても黒字を確保しており収益性が高い事業であることが分かります。

販管費について

花王の2020年12月期の販管費の内訳は以下の通りとなっております。

最も大きな割合を占めているのは人件費です。

研究開発費は585億円となっております。花王は幅広い事業を展開しており製品の種類が非常に多くなっております。新製品の開発に毎年大きな費用がかかるようです。

広告宣伝費は719億円となっております。花王のコマーシャルは本当によく見ます。製品の種類が多いため広告宣伝にも巨額の費用がかかっているようです。

地域別の売上高の推移

花王の地域別の売上高の推移は以下の通りとなっております。

海外向けの売上は伸びており2020年12月期においては4割弱が海外向けの売上となっております。一方で国内向けの売上は減少傾向にあるようです。

貸借対照表分析

花王の2020年12月期の連結貸借対照表の概要は以下の通りとなっております。

売上債権の回転期間は約1.7ヶ月、棚卸資産の回転期間は約3ヶ月となっております。

固定資産と使用権資産が合計で5,804億円計上されております。製品の種類が多いため生産設備への投資が大きいため計上額が大きくなっていることが想定できます。

のれんは主に2006年1月にカネボウを2,810億円で買収した際に発生したものです。

まとめ

今回は花王株式会社を取り上げました。非常に収益性が高く一般消費財を販売しているため安定感のある会社です。日本国内では無類の強さを誇りま。海外向けの売上は伸びてはいるものの、まだまだP&Gに比べれば小さい状況です。商品力はP&Gにも負けていないはずですから今後海外事業が伸びることを期待したいです。

総合評価

以上を踏まえ筆者の花王の財務数値の評価は以下の通りです。