日本企業の分析

小林製薬株式会社 決算分析

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小林製薬株式会社ってどんな会社?

小林製薬株式会社は大阪市に本社を置く医薬品、口腔衛生品、日用品の製造販売事業を行なっている会社です。2019年12月期の連結売上高は1,680億円、連結従業員数は3,435人となっております。その歴史は古く、1886年に小林忠兵衛が雑貨・化粧品店の合名会社小林盛大堂を創業し事業をスタートしました。その後外用消炎鎮痛剤の「アンメルツ」、トイレ用消臭芳香剤「サワデー」といったヒット商品を産み出し事業を拡大しました。1999年に大阪証券取引所市場第二部への上場を果たしました。

各種指標及び株価の推移

株価の推移

小林製薬株式会社の2019年12月期から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。

株価は右肩上がりで推移しております。

各種指標(2019年12月時点)

株価収益率(PER) 37.97倍 

株価純資産倍率(PBR)  4.19倍

株価収益率と株価純資産倍率は高い水準にあります。市場の期待が大きい銘柄であることが分かります。

損益計算書分析

小林製薬株式会社の2019年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

粗利率は61.4%と非常に高くなっております。医薬品や消臭剤といった製品は、確かに原価率が低そうなイメージがありましたが、思っていたよりかは原価が高いようです。粗利率は高いですが、販管費が売上原価以上に掛かっていることが分かります。

販管費の費目別の内訳は以下のとおりとなっております。

最も大きな金額を占めているのが広告宣伝費であり約228億円もの資金が投じられていることが分かります。「あっ!小林製薬」から始まるCMはインパクトがありよく流れている印象があります。製品の粗利率が高いため広告宣伝費がかかってもたくさん売ることで利益を増やそうという戦略なのでしょう。

販売促進費は得意先のドラッグストア等へのリベートだと思われます。人件費は112億円となっており、それほど大きくはありません。小林製薬顧客として以下の2社が開示されておりました。

株式会社PALTACは化粧品、日用品、一般用医薬品の卸売業者です。株式会社あらたも日用品を扱う卸売業者です。小林製薬の売上の55%以上がこの2社への売上となっているため小林製薬は主に商社を通じて販売を行なっていることが分かります。そのため営業人員が通常よりも少なくて済むため人件費がそれほど多く無いのでしょう。

貸借対照表分析

小林製薬株式会社の2019年12月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

自己資本比率は74%と高く財務体質は健全なようです。現預金>負債となっており債務の支払い能力についても全く問題なさそうです。小林製薬はメーカーですので有形固定資産が多く計上されているイメージがありましたが、211億円となっておりそれほど多くは無いようです。過去5年間の有形固定資産への投資額も毎年30億円〜40億円程度で推移しており、それほど設備投資には費用がかからないようです。

セグメント別分析

小林製薬株式会社は以下の3つのセグメントを報告セグメントとして識別しております。

各セグメント別の業績の概要は以下のとおりです。

国内事業が利益の大部分を稼いでいることが分かります。国際事業の利益率は国内事業に比べて低くなっていますが成長が期待できる事業です。過去3年間の国際事業の地域別の売上高は以下のとおりとなっております。

以上のとおり中国向けの売上が大きく伸びていることが分かります。中国人がドラッグストアで爆買いする様子がテレビで取り上げられていたことは記憶に新しいと思います。小林製薬の製品も中国で人気になれば今後も中国も売上が伸びることが期待できます。

まとめ

今回は医薬品、口腔衛生品、日用品の大手メーカーである小林製薬を取り上げました。有形固定資産や人件費があまり大きくなく、メーカーにしては固定費比較的小さい費用構造であることが分かりました。また扱っている商品も、医薬品や日用品といった生活必需品であることから不景気に強い会社だと思います。今後の成長は国際事業をいかに伸ばしていけるかにかかっていると思います。中国や東南アジアの地場のメーカーも力をつけてくるでしょうから、それらの会社に負けない商品を作り続けられるかが今後の成長の鍵になるのでは無いでしょうか。

総合評価

以上を踏まえ筆者の小林製薬株式会社の財務数値の評価は以下の通りです。

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