海外企業の分析

LEGO A/S 決算分析

LEGO A/S ってどんな会社?

LEGO A/Sはデンマークのビルンに本社を置く玩具メーカーです。言わずと知れた日本でも大人気のレゴの会社です。2019年12月期の連結売上高は約616,704億円(1デンマーククローネ16円換算)連結従業員数は18,800人の大企業です。その歴史は古く1932年にオーレ・キアク・クリスチャンセンにより設立されました。創業当初は木のおっもちゃの製造を行なっていましたが、1946年にプラスチック成型の機械への投資を行いプラスチック製のおもちゃの製造に乗り出しました。1953年にはLEGOの販売を開始しました。

LEGO A/Sは上場企業ではなく、創業者一族の持ち株会社であるKIRKBI A/Sが75%、財団法人のLEGO Foundationが25%の株式を保有している会社となっております。そのためLEGO A/Sの株式を買うことはできません。

損益計算書分析

LEGO A/Sの連結損益計算書の概要は以下の通りです。(LEGOはデンマークの会社であるためデンマーククローネ建で財務諸表を作成しております。今回の分析では1デンマーククローネ当たり16円で換算しております。)

売上高について

売上高は6,167億円となっており、おもちゃメーカーでは世界でもトップクラスの売上高では無いかと思います。売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

一部ライセンス収入による売上もありますが、ほとんどがLEGOの売上となっております。LEGOのキャラクターを使ったコラボ商品のようなものは多いイメージがありましたがライセンス収入は思ったよりも少なかったです。続いて地域別の売上高は以下のとおりとなっております。

上記の3つの地域区分となっており、詳細は分かりませんが、先進国の売上が大きいようです。アジア・オセアニアの売上がまだ1,000億円ですので、まだまだ伸びしろがありそうです。

粗利率・営業利益率について

LEGOの損益計算書で特筆すべき点は粗利率の高さです。粗利率は約72%と非常に高くなっております。LEGOは他のプラスチック製のおもちゃに比べて少し高いイメージがありましたが、その分利益率は高くなっているようです。営業利益率も28%と非常に高い水準にあります。費用の内訳は以下のとおりとなっております。(売上原価と販管費の合計の内訳です。)

材料費は896億円となっております。売上高に占める割合は14%となっております。プラスチック製であるためやはり材料費は安いようです。ライセンス料は444億円です。スターウォーズのレゴ等のコラボ商品は著作権を持っている会社に対して売上の何割かを支払う必要があります。コラボ商品以外の商品もたくさんあると思いますから、ライセンス料は結構高いのでは無いかと推定できます。

貸借対照表分析

LEGO A/Sの2019年12月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりです。

売掛金の回転期間は1.8ヶ月、棚卸資産の回転期間は2.9ヶ月となっております。現預金は137億円と会社規模と比較してかなり少ない水準にあります。関連当事者への貸付金が多額に計上されており、おそらく余剰資金は親会社へ預けているのでは無いかと推定できます。固定資産の内訳と減価償却費は以下の通りとなっております。

土地建物はLEGOが保有する工場と販売店が計上されているのでしょう。毎年たくさんの新商品を発売しているため、それに合わせて生産設備や型への投資が必要になります。

まとめ

今回は大人気のおもちゃのレゴのメーカーのLEGO A/Sを取り上げました。粗利率も高く、非常に収益性が高い起用であることが分かりました。世界中に販売拠点を展開しており知育おもちゃとして不動の地位を築いていることから今後も安定的に収益を確保できることが期待できると思います。

総合評価

以上を踏まえ筆者のLEGOの財務数値の評価は以下の通りです。