日本企業の分析

三菱倉庫株式会社 決算分析

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三菱倉庫株式会社ってどんな会社?

三菱倉庫株式会社は東京都中央区に本社を置く倉庫事業、陸上運送、港湾運送、不動産事業等を行なっている会社です。2020年3月期の連結売上高は2,290億円、連結従業員数は4,625人の大企業です。その歴史は古く1887年に三菱為換店の倉庫業務を継承し、有限責任東京倉庫会社として事業をスタートしました。その後国内各地に支店を開設し、1949年に東京証券取引所へ上場をしました。

各種指標及び株価の推移

株価の推移

三菱倉庫株式会社の2020年3月期から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。

株価は下落傾向にあるようです。

各種指標(2020年3月時点)

株価収益率(PER)15.89倍 

株価純資産倍率(PBR)0 .66倍

株価収益率、株価純資産倍率はあまり高くありません。市場からはあまり期待されていない銘柄であるようです。

損益計算書分析

三菱倉庫株式会社の2020年3月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

粗利率は10%となっておりかなり低い水準にあります。営業収益の内訳は以下のとおりとなっております。

営業収益の内訳

営業収益の内訳は以下のとおりとなっております。

社名となっている倉庫に関連しそうな、倉庫保管料と倉庫荷役料は売上全体の2割程度となっております。陸上運送、国際運送取扱料の方が売上としては大きな割合を占めていることが分かります。

一方で三菱倉庫のBSには物流倉庫関係の建物は大きな金額で計上されておりますが、車両運搬具はほとんど計上されておりません。私の推定ですが三菱倉庫は顧客から倉庫で預かった商品を、顧客の指図で指定した場所まで配送するサービスを行なっており、配送については外部の業者へ委託しているのではないかと思います。倉庫事業の売上高に占める割合は2割程度と小さいものの三菱倉庫の主力事業はやはり倉庫業と言えるのではないかと思います。

営業原価の内訳

営業原価の内訳は以下のとおりとなっております。

最も大きな割合を占めているのが作業運送依託費となっております。これは先ほど述べた、配送業務の依託費でしょう。ついで大きいのが人件費となっております。自動化が進んでいるとはいえ倉庫や物流センターでの庫内作業には、まだまだ人手がいるのでしょう。減価償却費も大きくなっており、倉庫事業だけで考えればかなり固定費が大きい費用構造となっています。

販管費について

販管費の内訳は以下のとおりとなっております。

販管費は人件費が大きな割合を占めていることが分かります。特筆すべき点はありません。

貸借対照表分析

三菱倉庫株式会社の2020年3月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

建物及び構築物、土地といった有形固定資産が巨額に計上されていることが分かります。三菱倉庫は不動産事業も行っておりオフィスビルや商業施設を所有しております。投資有価証券の計上額も1,115億円と巨額になっております。三菱商事215億円、キリンホールディングス92億円等の三菱系の企業を中心に様々な企業の株式を保有しております。借入金や社債の残高もそれなりに大きいものの、株や不動産といった資産が豊富にあり財務体質は磐石と言えるでしょう。

セグメント別分析

三菱倉庫株式会社は物流事業と不動産事業の2つの事業を報告セグメントとして識別しておりセグメント別の業績は以下のとおりとなっております。

売上は物流事業が大きくなっておりますが、利益は不動産事業の方が大きくなっていることが分かります。不動産事業に使用されている不動産は賃貸等不動産として時価が開示されております。

時価と簿価の差額は2,740億円となっており、巨額の含み益が発生していることが分かります。過去に取得した土地が値上がりをしているのではないかと推定できます。オフィスビルや商業施設を保有しており、安定して収益を生み出すことが期待できます。

まとめ

今回は物流事業、不動産事業を行なっている三菱倉庫株式会社を取り上げました。三菱倉庫の過去5年間の売上高成長率は約10%となっております。物流事業については、国内向けの売上が大半を占めているため売上は今後大きく成長することもなければ業績が急激に悪化することもないのではないかと思います。不動産事業についても、自社で保有している不動産の賃貸であるため安定して利益を計上することが見込まれます。

総合評価

以上を踏まえ筆者の三菱倉庫株式会社の財務数値の評価は以下の通りです。

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