日本企業の分析

株式会社良品計画 決算分析

株式会社良品計画ってどんな会社?

会社概要

株式会社良品計画の会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:東京都豊島区
  • 設立:1989年
  • 事業内容:自社ブランド商品「無印良品」及び「MUJI」の販売事業
  • 売上高:4,536億円(2021年8月期)
  • 従業員数:8,882人(2021年8月)

株価の推移

株式会社良品計画の2021年8月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりとなっております。

株価は2018年ごろから下落し低迷傾向にあることがわかります。

損益計算書分析

2020年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

もう少し詳しい損益計算書はこちら

自社開発の製品を売っていることもあり、粗利率は高くなっております。一方で無印の店舗は一等地に展開していることもあり販管費が大きくなっています。

売上高の内訳

良品計画の売上高の内訳は以下のとおりです。

商品区分別の内訳

生活雑貨が約半分を占めています。生活雑貨には収納用具や調理器具等が含まれており、競合するのはニトリです。衣類はユニクロと競合しています。食品事業については、ファンが多い印象ですが、売上全体に占める割合は1割程度となっています。

地域別の内訳

国内事業が大きな割合を占めていることがわかります。海外の中で最も大きな拠点は中国です。中国で約300店舗展開しています。中国以外では台湾で約50店舗、韓国で約40店舗を展開しています。

東アジア事業は非常に利益率が高いセグメントです。欧米事業は赤字の状況が続いております。

販管費の内訳

良品計画の2021年8月期の販管費の内訳は以下のとおりです。

最も大きな金額を占めるのは人件費です。全世界に約1,000店舗を展開しており店舗運営スタッフの人件費が計上されています。

次いで大きいのが借地借家料です。無印の店舗は一等地にあるため賃料負担は大きくなっています。

配送運搬費も266億円計上されています。主にオンラインストアの配送料が計上されていることが推定されます。全体的に固定費が大きい費用構造であることがわかります。

良品計画の2021年8月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。

貸借対照表の分析

良品計画の2021年8月期のの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

資産で最も大きな金額を占めるのは現預金です。流動負債と同じぐらいの金額があり、資金繰りにはかなり余裕があることが伺えます。

次いで大きな金額を占めているのは棚卸資産です。回転期間は5.5ヶ月となっており在庫がかなり多めに持っていることがわかります。

有形固定資産は約670億円計上されています。良品計画は製造を外部に委託しているため計上されているのは、店舗関連設備と物流センターに関する設備であることが想定されます。

自己資本比率は54.6%となっており財務体質は健全です。

まとめ

今回は自社ブランド製品の「無印良品」「MUJI」を販売する良品計画を取り上げました。無印のシンプルな商品はファンを多く獲得し順調に成長を続けてきた企業となっております。ライバルとなるユニクロやニトリは非常に強力な企業です。これらの会社の商品に対してどれだけ差別化できるかが成長の鍵となると思います。

費用構造としては固定費が大きい費用構造となっておりリスクが高い費用構造です。今後はオンライ販売が増えることが想定されますから変動費の割合は増えて行くのではないかと思います。海外事業にも力を入れており今後の成長が楽しみな企業だと思いました。

総合評価

以上を踏まえ筆者の株式会社良品計画の財務数値の評価は以下の通りです。