Palo Alto Networksってどんな会社?
会社概要
Palo Alto Networksの会社概要は以下のとおりです。
- 本社所在地:カリフォルニア州
- 設立:2005年
- 事業内容:サイバーセキュリティー器具の販売、サービスの提供事業
- 売上高:約4,681億円(2021年7月期)
- 従業員数:10,473人(2021年7月)
2005年設立のまだ新しい会社ですが、従業員数が1万人を超える大企業です。
株価の推移
パロ・アルト・ネットワークスの2021年7月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。
株価は右肩上がりで推移しています。特にこの2年での伸びが著しいです。
損益計算書分析
2021年7月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。
粗利率は非常に高くなっていますが、販管費の負担が大きく2021年7月期は約334億円の赤字となっております。
売上高の内訳
パロ・アルト・ネットワークスの売上高の内訳を見ていきましょう。
製品・サービスの内訳
パロ・アルト・ネットワークスは、小規模事業者からデータセンター等の大規模事業者向けにファイアウォール器具、ソフトの販売を行なっております。
サブスクリプションやサポート売上が大きくなっております。過去の推移を見てもサービス売上の割合はどんどん増えています。
地域別の売上高
地域別の売上の内訳は以下のとおりとなっております。
本社があるアメリカ向けの売上が約7割を占めています。
業績の推移
パロ・アルト・ネットワークスの過去6年間の業績の推移は以下のとおりとなっております。
売上高は順調に増加しておりますが、未だに黒字化には至っておりません。2019年7月期までは赤字幅が縮小傾向にありましたが、再び赤字が拡大しています。
費用の推移
売上が拡大しているにもかかわらず、黒字化ができていません。費用の内訳はどのようになっているのでしょうか。
全ての費目で大きく増加していることがわかります。特に研究開発費が大きく増えていることがわかります。
従業員数は2016年7月の3,795人から2021年7月には10,473人へ大きく増加しています。売上の拡大のために積極的に人材、研究開発へ投資をしている段階のようです。
パロ・アルト・ネットワークスの2021年7月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。
- 粗利率が高いが、販管費の負担が大きく営業赤字
- サブスク・サービス売上が大きな割合を占める。
- 人材・研究開発へ積極的に投資を行なっている。
貸借対照表の分析
パロ・アルト・ネットワークスの2021年7月期のの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。
資産総額は約1.1兆円となっております。
のれんが最も大きな金額を占めています。パロ・アルト・ネットワークスは買収に積極的で、2021年7月期にもExpanseというセキュリティ会社を797億ドルで買収しています。
負債の部で目立つのが、前受収益、長期前受収益となっており、合計で約5,500億円も計上されております。サブスクリプション契約で、事前に顧客から契約期間分の料金を先に受け取っているのでしょう。赤字が続いていますが、これによって資金繰りはかなり余裕がありそうです。
まとめ
今回はサイバーセキュリティ会社のPalo Alto Networksを取り上げました。売上が急拡大しており株式市場からも非常に期待されている会社です。
営業赤字の状況が続いていますが、顧客は増えており市場も拡大傾向にあることから黒字化は時間の問題だと思います。サイバーセキュリティー分野は技術の進歩が非常に早い業界だと思います。いかに人材を確保するかが重要であり、そのためには企業規模、資金力が鍵となるはずです。そういった意味でも利益を後回しにしてでも拡大戦略をとっている点は正解ではないかと思います。
総合評価
以上を踏まえ筆者のPalo Alto Networksの財務数値の評価は以下の通りです。