日本企業の分析

パーク24株式会社 決算分析

パーク24ってどんな会社?

会社概要

パーク24の会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:東京都品川区
  • 設立:1985年
  • 事業内容:駐車場の管理運営、カーシェアリング事業
  • 売上高:2,511億円
  • 従業員数:5,029人

株価の推移

パーク24の2021年10月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。

株価は過去5年で下落傾向にあることがわかります。

損益計算書分析

パーク24の2021年10月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

もう少し詳しい損益計算書はこちら

2021年10月期は営業利益がマイナスになってしまっております。粗利率も16.2%とあまり高くありません。

売上高の内訳

パーク24の2021年10月期の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

売上の大半を占めるのは国内と海外の駐車場事業となっています。パーク24はたくさんのコインパーキングを運営しています。

時間極め駐車場事業は主に管理受託型とサブリース型の2つの形態のビジネスがあります。

管理受託型は土地のオーナーに駐車場に機器等を設置してもらいパーク24は集金等の管理業務を行い管理費用をオーナーからもらうビジネスモデルです。

サブリース型はオーナーから土地を借りて駐車場を運営します。オーナーへの土地の賃借料の支払いは固定額であるため、駐車場の利用者が少なくても賃料を支払わなければならないため、管理受託型に比べて赤字になるリスクはありますが、利用者が多い場合には儲けが多いビジネスモデルです。

モビリティー事業は、利用したい時間期間だけクルマを借りることができるカーシェアリングとレンタカーの融合サービス提供している事業です。タイムズカーという名前で展開していてご存知の方も多いと思います。

業績の推移

パーク24の2021年10月期から過去5年間の業績の推移は以下のとおりです。

2019年10月期までは売上が伸びていましたが、新型コロナウィルスによる影響を大きく受け2020年10月期以降は赤字に転落してしまいました。

事業別の利益の推移は以下のとおりとなっております。

全ての事業で大きく利益が減っていることがわかります。特に海外事業の赤字が大幅に拡大していることがわかります。

海外事業は2017年にオーストラリアとイギリスの駐車場運営会社を買収して事業をスタートしました。もともとあまり業績が良くない会社でしたが、新型コロナウィルスが追い打ちとなり大きく業績が低迷しています。

モビリティ事業は売上、利益ともに順調に伸びていましたが赤字となっております。2021年10月期は、ほぼ赤字が解消しています。

パーク24の2021年10月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。

貸借対照表の分析

パーク24の2021年10月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

資産総額は3,196億円となっております。最も大きな金額を占めるのは有形固定資産となっております。カーシェア事業で保有している車や駐車場の土地が計上されています。

無形固定資産のうち約170億円は海外の駐車場事業を買収した際に発生したのれんが計上されています。のれんの一部は2020年10月期に減損していますが、まだそれなりに大きな金額が残っています。

借入金や社債も多く計上されており、自己資本比率は5%とかなり低い水準です。

まとめ

今回は駐車場の運営、カーシェアリング(タイムズカー)事業を展開するパーク24を取り上げました。約2年前に取り上げた際には安定している会社のイメージを持った記憶があります。国内の駐車場事業はあまり成長が見込まれないものの、安定した利益を生み出しており、成長事業であるタイムズカーへ投資ができるという良い循環が生まれていました。新型コロナウィルスにより外出の機会が減ってしまったため駐車場、タイムズカーの両方の事業が大きな打撃を受けてしまいました。とはいえ、タイムズカー事業は市場シェアも高く、成長が見込める事業であることは変わりないと思いますので、新型コロナウィルスの収束とともに業績も復活することが期待できると思います。

総合評価

以上を踏まえ筆者のパーク24の財務数値の評価は以下の通りです。