日本企業の分析

パーク24株式会社 決算分析

パーク24株式会社ってどんな会社?

パーク24株式会社は東京都品川区に本社を置く、駐車場事業、レンタカー事業、カーシェア事業を行なっている会社です。2019年10月期の連結売上高は3,174億円、連結従業員数は5,490人の大企業です。パーク24は1985年に駐車場の保守、運営管理会社として設立され、1999年に東京証券取引所第二部への上場を果たしました。

各種指標及び株価の推移

株価の推移

パーク24株式会社の2019年10月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。

株価は上昇と下落を繰り返していることがわかります。直近では低迷傾向にあることがわかります。

各種指標(2019年10月時点)

自己資本比率 30.8%

株価収益率(PER) 32.07倍

株価純資産倍率(PBR)  4.37倍

自己資本比率は30.8%となっております。高くはありませんが心配するほどの水準ではないと思います。株価収益率と株価純資産倍率は高い水準にあります。市場からの期待が大きい銘柄であることがわかります。

損益分析

パーク24株式会社の2019年10月期の連結損益計算書の概要は以下のとおりとなっております。

粗利率は24%となっております。売上原価は土地の賃借料や車の減価償却費が大きいのではないでしょうか。販管費の内訳は以下のとおりとなっております。

販管費のうち最も大きい科目は給与手当となっております。5年前の2014年10月期の給与手当の計上金額は約108億円でしたから2倍近くに増えていることが分かります。海外事業の拡大、カーシェア事業の急成長により人員も増加しているようです。のれん償却費は後ほど詳しく説明しますが、2017年10月期に海外の会社を買収したことに伴い発生しているものです。

セグメント別分析

パーク24株式会社は以下の3つの事業を報告セグメントとして識別しており各セグメントの事業内容は以下のとおりです。

2019年10月期のセグメント別の損益は以下のとおりとなっております。

最も大きい売上を占めているのが国内の駐車場事業となっており利益率も高いことが分かります。一方で海外の駐車場事業は赤字部門となっております。各事業について詳細に見ていきましょう。

駐車場事業国内について

時間極め駐車場事業は主に管理受託型とサブリース型の2つの形態のビジネスがあります。

管理受託型は土地のオーナーに駐車場に機器等を設置してもらいパーク24は集金等の管理業務を行い管理費用をオーナーからもらうビジネスモデルです。

サブリース型はオーナーから土地を借りて駐車場を運営します。オーナーへの土地の賃借料の支払いは固定額であるため、駐車場の利用者が少なくても賃料を支払わなければならないため、管理受託型に比べて赤字になるリスクはありますが、利用者が多い場合には儲けが多いビジネスモデルです。

パーク24株式会社ではどちらの方式を多く採用しているかは分かりませんが、オペレーティングリースの注記は以下の通りとなっておりました。

オペレーティングリースについて詳しく説明すると長くなるので割愛しますが、何かを借りる契約をしており、解約ができない残存契約期間中に支払う予定の金額が以下の通りとなっております。

以上より解約不能のリース取引の支払い残高が2,590億円あることが分かります。このうち大部分がサブリース型の駐車場の賃借料ではないかと考えられますから、サブリース型の駐車場も多いのではないかと考えられます。

駐車場事業国内の過去5年間の業績の推移は以下のとおりとなっております。

売上高は過去5年間で30%程度伸びていますが、利益はそれほど伸びていないことが分かります。以下は駐車場事業の貸出拠点数と台数の推移です。

上記の通り貸出拠点数は過去5年間で約50%程度伸びているのに対して、売上の伸びは約30%にとどまっています。つまり拠点数は増えているものの稼働率は落ちている可能性があります。

駐車場事業海外について

海外の駐車場事業の業績の推移は以下のとおりとなっております。

海外の駐車場事業は2017年に2件の大型の買収を行なった事により売上が急増しました。それに伴い2017年10月期から海外の駐車場事業を報告セグメントとして識別しております。

2017年10月期に行われた2件の大型の買収の概要は以下のとおりとなっております。

上記の通り取得価額の大部分がのれんとなっております。特にME Ⅱ CP Holdings 2 Limitedについては取得時には既に債務超過となっておりましたので取得価格よりものれんの金額が大きくなっております。ちなみにのれんの償却期間は会計基準上認められている最長の20年となっております。

買収してからまだ日が経っていないないこともあり現在のところ買収の成果はでていないと言えるでしょう。今後は海外でもモビリティ事業を展開していくことを予定しているようです。国内の自動車販売台数が減少の一途を辿る中で、海外に活路を見出しているのでしょう。

モビリティ事業について

モビリティ事業の業績の推移は以下のとおりとなっております。

モビリティ事業は2009年10月期にマツダレンタカーを買収した事により事業をスタートしました。カーシェアリング事業自体はマツダレンタカーが2004年ごろからスタートしていたようですが、パーク24の傘下に入ったことから一気に事業規模を拡大することができました。以下は過去5年間のカーシェアリング貸出拠点数と台数の推移です。

貸出台数が増加している事に伴い、売上と利益が大きく増加していることが分かります。一般的にM&Aはうまくいかないことが多いと言われていますが、パーク24によるマツダレンタカーの買収は稀に見る成功事例と言えるのではないでしょうか。

貸借対照表分析

パーク24株式会社の2019年10月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

資産のうち最も大きな金額を占めているのが有形固定資産となっております。有形固定資産の内訳は以下のとおりとなっております。

機械装置運搬具が558億円も計上されております。カーシェアリングやレンタカー事業で使用している大量の自動車が計上されているのでしょう。また土地の計上金額が258億円と比較的小さくなっております。このことからも駐車場事業は主に土地のオーナーから借りていることが読み取れます。

無形固定資産のうち373億円はのれんです。2017年10月度に行われた海外企業の買収によって発生したものです。

まとめ

今回は駐車場事やカーシェアリング、レンタカー事業を行なっているパーク24株式会社を取り上げました。国内の駐車場事業については国内の自動車販売台数が減少していることから長期的には衰退していく事業ではないかと思います。一方でシェアリング事業については今後も成長が期待できる事業だと思います。今後自動車はシェアリングの時代が来ると言われています。シェアリング事業を展開するにあたって必要となるのは自動車置き場であり駐車場事業を営んでいるパーク24にとっては自社の強みを発揮できる最も適した事業とも言えるのではないでしょうか。個人の車をシャアリングするサービスも出てきていますが、やはりトラブルが起こりやすいでしょうから、個人からではなくシェアリング事業を行なっている会社から借りたいと思う人が多いのではないでしょうか。2017年に海外の駐車場事業を行う会社を買収しております。日本と同様に駐車場事業を足がかりに海外でもシャアリング事業を軌道に乗せることができればより大きな成長が期待できるのではないでしょうか。

総合評価

以上を踏まえ筆者のパーク24株式会社の財務数値の評価は以下の通りです。