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SQUARE, INC 決算分析

SQUARE, INCってどんな会社?

会社概要

SQUAREの会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:カリフォルニア州
  • 設立:2009年
  • 事業内容:事業者向け、個人向けの決済サービスの提供事業
  • 売上高:約95億ドル(2020年12月期)
  • 従業員数:5,477人(2020年12月期)

設立から10年ちょっとしか経っておりませんが、Fintecへの関心の高まりもあり売上は100億ドルに迫る大企業となっております。

株価の推移

SQUAREの株価の推移は以下のとおりとなっております。

株価は右肩上がりで推移をしております。特に2020年の上昇は著しいものがあります。

損益計算書分析

2020年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。(1ドルあたり103円で換算しております。)

粗利率は28.7%となっております。決済サービスの提供事業を行なっているため、かなり粗利率は高いと予想をしておりましたが意外な結果となりました。

販管費や開発費の負担が大きく、2020年12月期は営業赤字となってしまいました。

売上高の内訳

スクエアの売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

ビットコイン収入

売上のうち最も大きな金額を占めるのはビットコイン収入となっております。スクエアはCash Appという個人向けの決済サービスアプリを通じてビットコインの販売を行っています。売上のかなり大きな割合を占めていますが、ほとんど同額のビットコインの仕入れ費用が計上されています。

取引手数料収入

ビットコイン収入以外で大きな金額を占めているのが、取引手数料収入です。スクエアは主に小規模事業者向けにPOSレジ等を通じた決済サービスを提供しています。消費者がキャッシュレス決済を利用した際に、利用金額の数パーセントがスクエアの収入になる仕組みです。

サブスクリプション・サービス収入

スクエアは決済だけではなく小売事業者向けの在庫管理、発注システム、飲食店向けの、座席管理システム、オーダー管理システム等の様々な業務支援システムも提供しています。これらの月額利用料がサブスクリプション・サービス手数料に計上されています。

スクエアの損益計算書のポイントは以下のとおりです。

過去の業績の推移

スクエアの2020年12月期から過去5年間の業績の推移は以下のとおりとなっております。

ビットコイン収入と費用はほとんど同額計上されるため、ここでは除外しております。

売上は順調に増加をしていますが、売上原価、販管費も同様に増加しているため営業利益は大きな変動はありません。

今は事業を拡大している段階ですので、販売費、開発費をかけて売上を成長させている段階のようです。

貸借対照表の分析

2020年12月期のの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

総資産は約1兆円となっております。決済サービスを行っているため、顧客の資金や未払金が大きいという特徴があります。

有形固定資産はほとんど計上されておりません。自己資本比率は約27%となっております。

まとめ

今回は決済サービスの提供事業を展開するスクエアを取り上げました。スクエアはキャッシュレス決済の増加や、Fintecへの期待の高まりから非常に注目されている会社です。期待は大きいものの、利益はあまり計上できていない状況です。とはいえ売上は急拡大していますから、赤字を抑えつつ売上の拡大に成功しているという見方もできます。

事業者向けの決済サービスは、事業者にとっては切り替えに手間がかかるため最初の導入の際のハードルは高いと思います。一方で一度導入してもらえればその後も長期にわたって利用してもらうことが想定できます。

また決済以外にも、在庫管理や発注、請求等のサービスも展開しており、これらのサービスも利用してもらえることが期待できます。今後も順調にスクエアの展開するサービスの利用者が増えていけば将来的には大きな利益を計上することが期待できるのではないでしょうか。

総合評価

以上を踏まえ筆者のSQUARE, INCの財務数値の評価は以下の通りです。