日本企業の分析

株式会社クボタ 決算分析

株式会社クボタってどんな会社?

会社概要

株式会社クボタの会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:大阪市浪速区
  • 設立:1930年
  • 事業内容:農作業機械、建設機械、パイプインフラ関連製品の製造及び販売事業
  • 売上高:2兆1,967億円
  • 従業員数:43,394人

株価の推移

株式会社クボタの過去5年間の株価の推移は以下のとおりとなります。

株価は日経平均と概ね連動していることがわかります。

損益計算書分析

2021年12月期の連結損益計算書の概要は以下のとおりとなっております。

もう少し詳しい損益計算書はこちら
農作業機械、建設機械の製造販売を行う機械セグメントの売上高が大半を占めています。水・環境セグメントは鉄管、バルブ、液中膜といった水処理関連の事業を展開しており、売上に占める割合は小さいですがしっかりと利益を稼いでいる部門です。

地域別の売上高の内訳

株式会社クボタの地域別の売上高の内訳は以下のとおりとなっています。

日本国内向けの売上高は3割弱となっており、最も大きいのが北米向けとなっており成長率も高い事業です。アジア向けも多く全世界でクボタの製品が使われていることがわかります。

業績の推移

クボタの過去5年間の業績の推移は以下の通りです。

売上、利益は2020年12月期は新型コロナウィルスの影響で若干落ち込んだものの、2021年12月期は海外向けを中心に大きく売上が大きく伸びています。

株式会社クボタの損益計算書のポイントは以下のとおりです。

損益計算書の要点
  • 海外向けの売り上げが7割以上を占めている。
  • 利益率は特筆するほど高くはないものの業績は安定している。

貸借対照表の分析

株式会社クボタの2021年12月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

総資産は3.7兆円となっています。資産の中で最も大きな割合を占めているのが金融債権となっており約1兆円計上されています。子会社のクボタクレジットを通じて分割払いでの販売を行なっており、長期の債権が大きくなっています。棚卸資産は約5,100億円であり、回転期間が約4ヶ月と比較的長い印象です。世界中で販売しているため積送中の在庫が多く計上されているのだと思います。

自己資本比率は約47%となっています。金融債権を計上している会社は自己資本比率は低くなる傾向にありますが、クボタの場合は自己資本比率が高く財務体質は健全であることがわかります。

まとめ

今回は農業機械、建設機械の製造販売事業を行うクボタを取り上げました。海外向けの売り上げ割合が高く業績も堅調に推移していることがわかりました。世界人口は80億人を突破し今後も増加することが見込まれているため、農業機械の需要は増えることが予想できます。今後は自動車の分野では自動運転や電動化といった動きが加速しています。農業機械の分野においても自動化、省人化、脱炭素が求められることは間違えないと思いますのでクボタがそれらに適切に対応することができれば今後も業績が大きく伸びていくのではないかとおもいます。

総合評価

以上を踏まえ筆者の株式会社クボタの財務数値の評価は以下のとおりです。