ビザってどんな会社?
会社概要
ビザの会社概要は以下のとおりです。
- 本社所在地:カリフォルニア州
- 設立:2007年
- 事業内容:クレジットカードの国際ブランドの運営
- 売上高:241億ドル(2021年9月期)
- 従業員数:21,500人
VISAは1958年にバンク・オブ・アメリカのクレジットカード会社として事業をスタートしました。2007年に世界各地のVISAの会社は統合され現在に至ります。
株価の推移
ビザの2021年9月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。
株価は過去5年で右肩上がりで推移していることが分かります。
損益計算書分析
ビザの2021年9月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。
営業利益率は65%、純利益率は51%と驚異的な高さを誇ります。
売上高の内訳
売上の内訳を見る前に、ビザのビジネスモデルについて簡単に説明します。
ビザはクレジットカードの会社ですがカードの発行や加盟店の募集は行なっていません。カードの発行や加盟店の募集は別の組織が行なっています。
カードの発行を行うのがイッシュアーです。例えば楽天カードであればVISAのマークが付いていますが楽天がクレジットカードを発行しています。
加盟店の募集、管理や管理を行うのはアクワイアラと呼ばれる会社で、主に金融系の会社が担っています。
ビザはクレジットカード利用者が加盟店で買い物ができるように、決済システムの運営を行なっています。決済システムの利用料をもらうことで収益を得ています。
前置きが長くなりましたが、ビザの売上高の内訳は以下のとおりとなっております。
サービス収益は主に決済金額、データ処理は主に決済回数に応じて獲得する収益となっております。
国際取引は決済の手数料に加えて、外貨の両替の手数料も取っているため非常に収益性が高いことが想定されます。
ちなみに2021年6月期にビザで取り扱った決済金額は約1,100兆円となっております。決済回数は1,647億回となっており、世界の人口を78億人とすると一人あたり21回ビザの決済を利用している計算になります。
費用の内訳
ビザの2021年9月期の費用の内訳は以下のとおりです。
費用の中で最も大きな金額を占めるのは人件費となっております。決済ネットワークの維持、運営や世界中のカード発行会社、アクワイアラとのやりとりに多くの人員が必要であることが分かります。
費用は固定費が大きいことが分かります。
過去の業績の推移
ビザの2021年9月期から過去5年間の業績の推移は以下のとおりとなっております。
業績は順調に伸びていることが分かります。2020年9月期は新型コロナウィルスの影響により経済が停滞したことにより、VISAカードでの決済も減ったため少し落ち込んでいるようです。
ちなみに過去5年間のキャッシュフローの推移は以下のとおりです。
2016年に投資キャッシュフローが大幅にマイナスとなっていますが、ビザヨーロッパの株式を取得したことによるものとなっております。
基本的に毎年潤沢な営業キャッシュが生み出され、自社株買いや配当により株主に還元していることが伺えます。
ビザの2021年9月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。
- 自社では貸し倒れリスクは負わず決済手数料を得るビジネスモデルであるため利益率が非常に高い。
- 設備投資があまり必要ではない。
- 費用は人件費が大きいため固定費が大きい。
貸借対照表の分析
ビザの2021年9月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。
資産総額は9.2兆円となっております。そのうち約4.8兆円を占めるのが、のれん、無形固定資産となっております。これは主に自社の組織再編により発生したものとなっております。
2007年にVisa Europeを除く世界各地のVISAの組織を再編し現在のVisa Inc.を設立した際に、多額ののれんと無形固定資産が発生しています。また2016年にもVisa Europeを約2兆円で取得した際にも多額の無形資産とのれんが計上されました。
万が一のれんと無形固定資産を全額減損した場合には債務超過となりますが、今のビザの収益力を考えればその心配はほとんどないでしょう。
手元資金は潤沢にあり、自己資本比率は45%となっており財務体質は健全な水準です。
まとめ
今回は世界で最も有名なクレジットカードブランドの1つであるビザを取り上げました。以前マスターカードを一度取り上げていますが、全く同じ企業を見ているような感覚になる程両者は似通っていました。貸倒れリスクは負っておらず、世界中のカード発行会社、アクワイアラが協力してビザの決済を増やすように努力をしてくれます。欠点が見当たらない理想的なビジネスモデルだと思います。今後も経済の成長とともに決済や、国をまたいだ決済も増えることが予想されるため、それに合わせてビザも成長していくことが期待できます。
総合評価
以上を踏まえ筆者のビザの財務数値の評価は以下の通りです。