海外企業の分析

DOCUSIGN, INC 決算分析

ドキュサインってどんな会社?

ドキュサインの会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:カリフォルニア州 サンフランシスコ
  • 設立:2003年4月
  • 事業内容:電子署名に関するソフトウェアプラットフォームの運営事業
  • 売上高:21億ドル(2022年1月期)
  • 従業員数:7,461人(2022年1月時点)

株価の推移

ドキュサインの2022年10月から過去の株価の推移は以下の通りとなっています。

ドキュサインの株価はコロナ禍で大きく上昇しましたが2022年に入って急落していることがわかります。

損益計算書分析

2022年1月期の連結損益計算書の概要は以下のとおりとなっております。(一ドルあたり115円で換算しています。)

売上高は約2,423億円となっています。粗利率は約78%と非常に高いですが、販管費の負担が大きく営業利益は約71億円の赤字となっています。
もう少し詳しい損益計算書はこちら

売上高の内訳は以下の通りとなっています。

売上高のほとんど全てがサブスクリプション収益となっています。ドキュサインは電子署名に関するプラットフォームを運営しており、17万以上の事業者へサービスを提供しています。基本的には年間契約のようですので、今後も安定した収益が見込むことができます。

販管費の内訳

販管費の中で最も大きな割合を占めているのが販管費となっています。販売費の大部分は人件費が占めていることが想定されます。2022年1月時点で約7,400人の従業員がいますが、約2/3は営業関連の人員となっています。

研究開発は452億円となっています。電子署名は署名をしたデータが改竄されていないことを担保しなければいけませんから、研究開発にも力を入れているようです。

業績の推移

ドキュサインの2022年1月期から過去5年間の業績の推移は以下の通りとなっています。

売上は綺麗な右肩上がりで推移していることがわかります。2018年1月期は大きな赤字を計上していますが、赤字幅は縮小傾向にあることがわかります。

ドキュサインの2022年1月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。

損益計算書の要点
  • 粗利率が高いものの販管費の負担が大きく赤字
  • 営業に力を入れており売上は拡大傾向にある。

貸借対照表の分析

ドキュサインの2022年1月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

総資産は約2,922億円となっています。今回は負債側から説明します。負債の中で最も大きな割合を占めているのが契約負債となっています。ドキュサインは基本的に顧客に対して1年分の料金を先に請求しているるようです。そのため前受金に相当する契約負債が大きくなっています。先にお金を払ってもらうため資金繰りは余裕があるように見受けられます。(現預金と有価証券を約910億円もあります。)

まとめ

今回は電子署名プラットフォームを展開するドキュサインを取り上げました。コロナ禍で株価が急騰し話題になった会社です。新型コロナウィルス収束後もペーパーレス化の流れは止まらないと思いますので今後は大きく伸びていくことが想定されます。電子署名を付すデータはアドビが開発したPDFファイルが主流になると思います。ドキュサインもライバルとして認めるアドビに対してどのように差別化していけるかが成長の鍵になるのではないかと思います。

総合評価

以上を踏まえ筆者のドキュサインの財務数値の評価は以下のとおりです。