海外企業の分析

Accenture plc 決算分析

アクセンチュアってどんな会社?

会社概要

アクセンチュアの会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:アイルランド
  • 設立:2009年
  • 事業内容:コンサルティング、システムインテグレーション事業
  • 売上高:約505億ドル
  • 従業員数:約624,000人

50カ国以上に事務所を構える世界最大のコンサルティング企業です。設立は2009年となっておりますが、母体となる会社はアメリカの監査法人のアーサーアンダーセンのコンサルティング部門が1989年に分社化する形で設立されました。

株価の推移

アクセンチュアの2021年8月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりとなっております。

株価はダウ平均と概ね連動しているようです。

損益計算書分析

アクセンチュアの2021年8月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。(1ドルあたり110円で換算しております。)

もう少し詳しい損益計算書はこちら

粗利率は32%とそれほど高くはありませんが、営業利益率は15%と収益性が高いことがわかります。

売上高の内訳

アクセンチュアの2021年8月期の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

アクセンチュアは顧客の産業別に売上を区分しています。IT企業、金融、ヘルスケア、メーカーといった幅広い分野にバランス良く顧客を抱えていることがわかります。

アクセンチュアは、コンサルティング企業として顧客が抱える様々な問題を解決することで収益を生み出しています。それを可能にするのはパートナー企業です。Google、オラクル、セールスフォース等の多くのパートナー企業と協力しながら、顧客の問題を解決しています。

パートナー企業への支払が大きいため粗利率が低くなっていることが推定できます。

ちなみに地域別の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

北米とヨーロッパ向けの売上が約8割を占めるため先進国向けの売上高が大きいことがわかります。

販管費の詳細な内訳は開示されておりませんでした。コンサルティング企業で、50以上の国に事務所を展開しているため、人件費が大きな割合を占めていることが予想されます。

業績の推移

アクセンチュアの2021年8月期から過去5年間の業績の推移は以下のとおりとなっております。

売上、利益ともに順調に増加傾向にあることがわかります。

アクセンチュアの2021年8月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。

貸借対照表の分析

アクセンチュアの2021年8月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

資産総額は4.7兆円となっております。現預金、売掛金が大きな金額を占めています。

固定資産ではのれんが大きな金額を占めています。アクセンチュアは買収を積極的に行なっています。同業のIT系のコンサルティング会社を多く買収しているようです。

自己資本比率は約46%となっており、財務体質は健全な水準にあります。

まとめ

今回は世界最大のコンサルティング会社であるアクセンチュアを取り上げました。売上や費用に関する詳細な情報がなかったため、あまりよくわからなかったというのが正直な感想です。コンサルティング会社はあまり良いイメージを持っていませんでしたが、アクセンチュアに関してはITという軸を持っており、パートナー企業とともに顧客が抱える問題を解決できているからこそ5兆円もの売上が実現できているのだと思います。今後も企業のITによる業務の効率化のニーズは高まる一方でしょうから、さらなる成長が期待できるのではないかと思います。

総合評価

以上を踏まえ筆者のアクセンチュアの財務数値の評価は以下の通りです。