日本企業の分析

ファナック株式会社 決算分析

ファナック株式会社ってどんな会社?

ファナックは富士通のNC部門が分離されて設立された会社です。本社は山梨県の忍野村という所にあります。

各種指標及び株価の推移

株価の推移

ファナックの2021年3月期から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。

株価は日経平均に近い動きをしてします。

損益計算書分析

ファナック株式会社の2021年3月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

売上高は5,512億円、粗利率は約36%、営業利益率は約20%となっております。粗利率は製造業としては突出して高いとはいえませんが営業利益率が20%を超えは珍しいです。

売上高の内訳

ファナックの売上高の内訳は以下の通りとなっております。

ファナックは富士通のNC部門が独立してできた会社です。NCはNumeric Control(数値制御)の略称で、NC技術を使うことで工作機械を数値情報に基づいて制御することで、自動で正確な加工ができるようになります。

NC技術を中心にFA、ロボット、ロボマシンの各事業を展開しています。

FA(ファクトリーオートメーション)部門は主に工作機械メーカー向け、ロボット部門は自動車、重機、機械加工メーカー向け、ロボマシン部門は電子機器、医療機器メーカー向けが主な販売先となっています。

製造費用の内訳

ファナックの製造費用の内訳は以下のとおりとなっております。(単体決算のデータです。)

もっとも大きな割合を占めているのは材料費となっております。意外にも労務費や経費も大きな割合を占めております。

工作機械を作るためには大規模な製造設備が必要なことが伺えます。また、工場の自動化にもっとも長けているはずのファナックでさえ、生産現場の自動化ができない部分が多くあり、製造には多くの人員を必要としていることが伺えます。

販管費について

ファナックの2021年3月期の販管費は以下のとおりとなっております。

人件費関連の費用が大きいようです。販管費の894億円のうち513億円は研究開発関連の費用となっているため、人件費の大部分は研究開発関連の費用が計上されていることが想定できます。

研究開発費を除く販管費は約381億円となっております。営業人員は企業規模の割にはそれほど多くないのかもしれません。工作機械であるため、1回あたりの取引は大口で取引回数も少ないため営業の人員は少なく済むことが想定されます。

販管費にそれほど大きな費用がかからないため20%を超える高い利益率を実現しています。

地域別売上高

ファナックの地域別売上高の内訳は以下のとおりとなっております。下が2021年3月期、上が10年前の20211年3月期です。

もともと海外向けの売上が大半を占めていましたが、この10年間でさらに海外向けが多くなりました。意外にもアジア向けはそれほど伸びておらず、アメリカ、ヨーロッパ向けの売上が大きく伸びていることがわかります。

貸借対照表分析

ファナックの2021年3月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

総資産額は約1.6兆円となっております。資産の中でもっとも大きな金額を占めているのが有形固定資産となっております。工作機械の製造には非常に大掛かりな生産設備が必要なようです。

棚卸資産を多く保有しているのも特徴的です。回転期間が5.6ヶ月もあります。仕掛品と製品在庫が多いようです。工作機械は製造にある程度の時間がかかりますし、客先都合で納品待ちの物も多くなることが想定できます。

自己資本比率は約88%となっており財務体質は非常に盤石です。

まとめ

今回は日本を代表する工作機械メーカーのファナックを取り上げました。優良企業として有名で利益率は非常に高くなっておりました。製品力の高さが利益の源泉だと思います。売上の約10%を研究開発費に回しており、非常に技術開発や製品開発の競争が激しい業界であることが伺えます。利益の計上→研究開発、設備への投資→製品力の向上→利益の計上という好循環が実現できているように見えます。日本の製造業は衰退傾向ですが、海外向けの売上高が大半を占めるため、今後も成長が期待できる企業ではないかと思います。

総合評価

以上を踏まえ筆者のファナック株式会社の財務数値の評価は以下の通りです。