海外企業の分析

SHOPIFY INC 決算分析

SHOPIFY INCってどんな会社?

会社概要

ショッピファイの会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:オタワ(カナダ)
  • 設立:2004年
  • 事業内容:ECサイトの制作運営支援事業
  • 売上高:29億ドル(2020年12月期)
  • 従業員数:約7,000人(2020年12月)

ショッピファイはアメリカの会社のイメージがありましたが、カナダに本社を置いております。カナダの会社の中で最も時価総額が高い会社のようです。

株価の推移

ショッピファイの2020年12月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。

株価は大きく上昇傾向にあります。特に2020年に大きく上昇していることがわかります。

損益計算書分析

ショッピファイの2020年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

粗利率は52%となっております。思ったより原価率が高いようです。赤字が続いておりましたが2020年12月期は営業黒字を確保しています。

売上高の内訳

ショッピファイの売上高の内訳は以下のとおりです。

ショッピファイは中小事業者向けにECサイトの制作運営を支援する事業を展開しています。ショッピファイのプラットフォームを使えば簡単にECサイトを立ち上げることができます。

Subscription solution売上について

サブスクリプションソリューション売上は主に、ショッピファイが提供するプラットフォームの利用料です。月額29ドルから利用ができ、世界中で170万以上の事業者がショッピファイのプラットフォームを利用しています。

Merchant solution売上について

売上の約6割を占めるのがMerchant solution売上となっております。ショッピファイでは、事業者向けにECサイトの運営に関する様々なサービスを提供しています。

最も収益性が高いと想定されるのが、決済手数料売上です。ショッピファイのプラットフォームで作成したECサイトの売上についてショッピファイが提供する決済システムを利用してもらうことで手数料を得ています。

他にも事業者向けに資金の貸付や広告等の様々なサービスを提供しています。

地域別の売上高の内訳

ショッピファイの地域別の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

北米向けの売上が7割以上を占めています。今後はアメリカや、カナダ以外の地域でも売上が伸びていくことが期待されます。

業績の推移

ショッピファイの過去5年間の業績の推移は以下のとおりとなっております。

売上は右肩上がりで推移しているようです。利益の推移についても見ていきましょう。

ずっと赤字が続いており拡大傾向にありましたが2020年に黒字に転換しました。顧客数も増えて固定費を上回る収益を上げることができるようになったことが想定できます。今後は利益が拡大していくことが期待できます。

ショッピファイの2020年12月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。

貸借対照表の分析

ショッピファイの2020年12月期のの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

総資産の金額は約8,383億円となっております。大半が余剰資金と、余剰資金の運用先の有価証券が占めております。有形固定資産はほとんど保有していないようです。自己資本比率は約82%となっており財務体質は非常に健全です。

まとめ

今回は中小事業者向けにECサイトの開設、運営支援事業を行なっているショッピファイを取り上げました。2020年12月期は黒字に転換したばかりであまり利益率は高くありませんが、急成長をしている会社です。eコマース市場は成長が著しい事業となっており今後も中小事業者の参入は続くことが想定されます。

一方でShopifyならではの強みというものは、あまり見当たりませんでした。日本でもBASE株式会社という会社が同様の事業を展開しています。現状ではサービス内容に大きな差はなく差別化ができていないようにも思えます。ショッピファイの強みは170万を超える事業者を顧客に持っているという点であると思います。今後はこの顧客基盤を生かしたサービスの差別化ができれば、さらに収益を上げることが期待できます。

総合評価

以上を踏まえ筆者のショッピファイの財務数値の評価は以下の通りです。