日本企業の分析

トヨタVSトヨタ以外 国内6社が結集すればトヨタに勝てるのか?

トヨタ自動車と言えば日本で最も時価総額が高い会社で自動車販売台数でドイツのフォルクスワーゲンと世界首位の座を争っています。日本にはトヨタの他にホンダや日産といった素晴らしい自動車メーカーがたくさんありますが現状ではトヨタの一人勝ちといった状況となっています。そこで今回はトヨタ以外の国内6社が結集すればトヨタに対抗することができるのかを検証していきます。基本的には各社の決算書に基づいて分析を進めていきます。

トヨタと比較するのは以下の6社です。

ダイハツと日野はトヨタの子会社であるためトヨタグループとしてカウントをして上記の6社連合を比較していきます。

販売台数の比較

まずは自動車の販売台数の比較です。2020年3月期の2チームの販売台数は以下のとおりです。

販売台数では6社連合が大きく上回っていることが分かります。地域別にも比較してみましょう。

日本国内ではトヨタが約50%のシェアを握っておりトヨタの強さが際立ちます。欧州でもトヨタが健闘していますがアジアでは存在感が薄くなっております。インドで圧倒的なシェアを持っているスズキとバイクでブランドイメージを浸透させたホンダが台数を稼いでおります。

販売台数では6社連合が圧勝という結果になりました。

従業員数の比較

従業員数を比較していきましょう。トヨタと6社連合の従業員数は以下のとおりです。

従業員数は6社連合がトヨタの約1.5倍の人数となっております。販売台数で大きく上回る6社連合が従業員数でもトヨタを圧倒していることが分かります。

業績比較

2チームの2020年3月期の業績を比較していきます。業績の概要は以下の通りとなっております。6社連合の業績は6社の損益計算書を単純合算した数値となっております。

トヨタの売上は29.9兆円、6社連合は37.3兆円となっておりどちらも天文学的に大きな数字となっております。注目すべき点は粗利率は6社連合の方が高いのに対して営業利益率はトヨタが大きく上回っている点です。6社はそれぞれ本社機能を持っているぶん管理コストが多くかかります。また、トヨタは1社で販売台数を確保しており物流効率が良いのではないかと想定されます。販管費はスケールメリットが大きく働く箇所であるためこのような差が生まれております。

トヨタが6社連合の2倍以上の利益を計上しており、業績面ではトヨタの圧勝という結果となりました。

研究開発費の比較

自動車業界は100年に1度の変革期を迎えていると言われています。電動化、自動運転等の先進技術の開発競争は激化しており、研究開発にどれだけ費用を捻出できるかが生き残りの鍵となります。トヨタと6社連合の2020年3月期の研究開発費は以下の通りとなっております。

研究開発費は6社連合の方が多いことがわかります。先進技術の開発だけではなく、エンジン車の開発にも当然研究開発費がかかります。6社では当然それぞれ既存車種のモデルチェンジのための開発も進めています。そういったことを考えると先進技術の開発にはトヨタの方が投資を進められているのではないかと思います。

貸借対照表の比較

次に貸借対照表を比較していきましょう。まずは借方(資産の部)の比較です。2020年3月期のトヨタと6社連合の資産の部は以下の通りとなっております。(6社連合は各社の単純合算です。)

資産総額はトヨタが52.6兆円、6社連合が48.7兆円となっております。金融資産がトヨタの方が多く、金融資産を除けば同じぐらいです。金融資産は主に自動車ローンに関連する債権です。

棚卸資産はトヨタが2.4兆円、6社連合が4.4兆円となっております。売上以上に差が開いております。6社連合に比べれば車種が少ないため在庫を減らすことが可能なのでしょう。

トヨタは関係会社株式と投資有価証券を合計で11.4兆円も計上しております。デンソー、アイシン、ジェイテクトといった巨大部品メーカーやSUBARU、豊田通商といった会社に20%以上を出資しておりこれらの会社の株式を関係会社株式として計上しております。またKDDIに約13%、スズキに約5%、マツダに約5%をを出資をしておりそます。他にも多くの会社に出資をしており多額の投資有価証券に計上されております。

有形固定資産はトヨタ、6社連合共に約10兆円が計上されております。主に工場設備や販売店に関連する資産が多く計上されていることが想定されます。トヨタだけで6社の合計と同じぐらいの有形固定資産を保有しているのは驚きです。

次に貸方(負債の部・純資産の部)を見ていきましょう。トヨタと6社連合の負債の部は以下の通りとなっております。

負債の部、純資産の部はそれほど大きな違いはありません。買掛金はトヨタが2.4兆円、6社連合は6兆円とトヨタの方が少なくなっております。トヨタの方が支払いサイトが短いことが推定できます。

自己資本比率はトヨタが40%、6社連合は37%となっております。金融資産が多く計上されていることを考えれば財務体質はかなり健全な水準にあります。

時価総額の比較

最後に時価総額を比較していきましょう。2020年3月末時点のトヨタと6社連合の時価総額は以下の通りとなっております。

時価総額ではトヨタが6社連合を大きく上回っております。損益計算書の比較で明らかになりましたが収益力はトヨタが6社連合を大きく上回っており、それが時価総額に反映されている形となっております。

まとめ

今回は世界最大の自動車メーカーであるトヨタと、国内6社を比較してきました。全体としてトヨタの強さが際立った結果となりました。6社を合計すれば規模面ではトヨタに対抗できるものの、収益力ではトヨタが6社連合を圧倒しておりました。スバル、スズキ、マツダといった国内メーカーにも出資をしており関係会社にはデンソーをはじめとした巨大部品メーカーを抱えています。はっきりいってガソリン車においてトヨタの地位は揺るぎなく、世界中でトヨタに対抗できる会社は存在しないのではないかと思えました。そんなトヨタが今後、電動化や自動化といった大きな変革にどのように対応していくかに注目していきたいと思います。