日本企業の分析

株式会社コロプラ ここが正念場

株式会社コロプラってどんな会社?

株式会社コロプラは東京都渋谷区に本社を置くスマートフォン向けのゲーム事業を展開している会社です。2020年9月期の連結売上高は390億円、連結従業員数は1,565人となっております。コロプラは比較的新しい会社で現在も社長を務める馬場功淳氏が2003年にゲームアプリ「コロニーな生活」を個人事業主として提供を開始したことが起源となっております。その後2008年に株式会社コロプラが設立されました。「白猫プロジェクト」、「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」、「白猫テニス」等の様々なスマートフォン向けのゲームアプリのヒット作を生み出し事業規模を拡大しております。2012年12月に東証マザーズへの上場を果たしました。

各種指標及び株価の推移

株価の推移

株式会社コロプラの2020年9月から過去5年間の株価の推移は以下の通りです。

株価は2019年10月ごろに一時的に急騰したものの低迷していることが分かります。

各種指標(2020年9月時点)

株価収益率(PER) 14.37倍

株価純資産倍率(PBR)  1.51倍

株価収益率と株価純資産倍率は標準的で市場からは一定の評価を得ているようです。

損益計算書分析

株式会社コロプラの2020年9月期の連結損益計算書の概要は以下の通りです。

粗利率は46%、営業利益率は27%となっており非常に収益性は高くなっております。

費用分析

売上原価について

まずコロプラの売上原価の明細は以下の通りとなっております。(連結の数値は開示されていないため単体の数値となっております。)

売上原価の約3分の1を占めるのはプラットフォーム使用量です。コロプラはスマートフォン向けのゲームアプリを提供する事業を行なっております。基本的にgoogleかAppleが運営するアプリストアを通じて課金アイテム等を販売しており、両社に対して莫大な手数料を支払っています。手数料は売上の30%だそうです。ぼったくりのようにも思えますが、googleとAppleなしでは成り立たないビジネスですので避けられない費用です。売上に応じて発生する費用ですから変動費であると言えます。

次いで大きい費目は業務委託費、労務費、サーバー関連費用です。これらは主にゲームの運営に関連する費用でしょうから固定費の性質が強い費用と推定できます。

販管費について

コロプラの販管費の内訳は以下の通りです。

販管費の25%を占めるのが広告宣伝費です。スマホゲームの場合にはユーザーの獲得が最重要課題ですから各社、広告宣伝費に巨額の資金を投入しております。テレビを見ていても毎日のようにスマホゲームのCMが流れています。広告宣伝費は会社の裁量でいかようにも増減させることができる費用ですが、減らした場合には売上の減少に繋がりますから減らすことは難しいでしょう。

その他はおそらくアプリの開発関連の費用が多く含まれていることが推定できます。コロプラの貸借対照表にはソフトウェアがほとんど計上されていないためアプリの開発に関連する費用は販管費で計上されていると推定できます。VR端末向けのサービスの開発に力を入れており2020年9月期の研究開発費の総額は約34億円となっております。

業績の推移

株式会社コロプラの過去6年間の業績の推移は下記の通りです。

2016年9月期をピークとして売上高、利益ともに大きく下落傾向にありましたが2020年9月期に持ち直しております。2019年9月にリリースを開始したドラクエウォークが業績に大きく寄与しております。2020年9月期のスクエアエニックス向けの売上は約152億円となっておりドラクエウォーク関連の売上がいかに多いかが伺えます。

貸借対照表分析

株式会社コロプラの2020年9月の連結貸借対照表の概要は以下の通りです。

資産総額は858億円となっておりそのうち650億円が現預金となっております。負債もほとんどなく財務体質は盤石なことが分かります。

任天堂による訴訟について

2017年12月に任天堂が、コロプラの白猫プロジェクトについて特許侵害があるとして配信の停止と遅延損害金44億円を求めて訴訟を提起しております。2020年9月時点で現預金が650億円もある会社ですから、遅延損害金については仮に44億円を支払うことになったとしても直ちに大きな影響はないでしょう。現在の稼ぎ頭である白猫プロジェクトの配信が停止された場合にはその影響は計り知れません。

まとめ

今回はスマホゲーム大手の株式会社コロプラを取り上げました。2014年にリリースした白猫プロジェクトのヒットにより莫大な売上と利益をもたらしました。ブームがひと段落して勢いを失ってしまいましたがドラクエウォークのヒットにより息を吹き返しました。費用構造を分析したところ売上に応じて増減する変動費や会社の裁量で支出額を決められる広告宣伝費や研究開発費の割合が大きいことが分かりました。資金が豊富にあるため今後も継続してゲームの開発に力を入れることができそうです。VR端末向けのサービスに力を入れています。VR端末が今後どの程度普及するか、普及した場合にヒット作を出すことができるかが今後の成長の鍵になるでしょう。