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キッコーマン株式会社 決算分析

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キッコーマン株式会社ってどんな会社?

キッコーマン株式会社は千葉県野田市に本社を置く、醤油や食品の製造販売事業を行う会社です。しょうゆの会社のイメージが強いですがトマト缶等の「デルモンテ」の商品もキッコーマンが販売しております。2019年3月期の連結売上高は4,535億円、連結従業員数は7,100人の大企業です。キッコーマンの歴史は古く1917年に野田醤油株式会社として事業をスタートしました。1949年には東京証券取引所に上場しています。

各種指標及び株価の推移

株価の推移

キッコーマン株式会社の2019年3月から過去5年間の株価の推移は以下の通りとなっております。

株価は上昇傾向にあることがわかります。

各種指標(2019年3月時点)

自己資本比率 73.3%

株価収益率(PER) 40.10倍 (東証一部平均 15.9倍)

株価純資産倍率(PBR)  3.92倍 (東証一部平均1.2倍)

自己資本比率は73.3%と健全な水準にあることがわかります。株価収益率と株価純資産倍率は東証一部の平均を大きく上回っており市場から大きく期待されている銘柄であることが分かります。

損益分析

キッコーマン株式会社の2019年3月期の連結損益計算書の概要は以下のとおりです。

粗利率は38.7%と食品メーカーとしては高い水準にあります。主力商品の醤油で圧倒的な地位を確率していることにより小売店等に対して価格交渉力があるのだと思います。

販管費について

2019年3月期のキッコーマン株式会社の販管費の主要な項目は以下のとおりです。

販管費のうち最も大きいのが人件費となっております。販売手数料は小売店向けのリベートだと思います。この販売手数料と運賃は変動費の性質が大きい費用です。BtoCメーカーであることから広告宣伝にも力を入れていることが分かります。

過去10年間の業績の推移

キッコーマン株式会社の過去10年間の主要な業績の推移は以下のとおりとなっております。

過去10年間で売上高は約1.5倍に増加しております。粗利率は低下しているものの営業利益率は少し上昇しています。

後のセグメント分析でも出てきますがキッコーマンは食品の卸売事業も行っております。粗利率の低下はこの食品卸売事業の売上が伸びたことによるところが大きいと考えられます。営業利益率の上昇は売上が伸びたことにより固定費負担が相対的に低下したことによるものでしょう。

貸借対照表分析

キッコーマン株式会社の2019年3月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりです。

固定資産>純資産となっており、債務の支払能力は十分にあり財務体質は非常に健全であることが分かります。メーカーであることから生産設備が必要であり有形固定資産が1,233億円計上されております。また棚卸資産が大きいのも特徴です。回転期間が約2.5ヶ月となっております。海外向けの販売や輸入取引が多いため積送在庫が多いためでしょうか。

セグメント別分析

キッコーマン株式会社は以下の4つを報告セグメントとして識別しております。

2019年3月期のセグメント別の売上と利益は以下のとおりとなっております。

上記の表からも分かる通りキッコーマンの売上の約6割が海外事業から計上されていることが分かります。特に売上が大きい海外食品卸売事業は子会社のJFCジャパンという会社を通じて事業を展開しているようです。海外食品の製造・販売事業は非常に利益率が高い事業となっております。主力商品のしょうゆは海外では特に競合他社があまりいないためでしょうか。

まとめ

今回は醤油のトップメーカーであるキッコーマン株式会社を取り上げました。決算資料を見る前までは、日本の代表的な調味料である醤油のメーカーであることから国内事業中心の会社というイメージでした。実際には海外での売上比率が高い会社で、確認した過去10年間だけでも海外売上比率を大きく拡大している会社ということが分かりました。特に北米地域で強みを持っており2019年3月期の売上高の4割強が北米地域向けの売上となっております。また海外での食料品の卸売事業も大きな柱となっていることが分かりました。しょうゆの圧倒的な地位があるから卸売事業が伸びたのか、海外向けの流通に強みがあるからしょうゆの海外展開に成功したのか、どちらなのかは今回の分析では分かりませんでした。いずれにせよ圧倒的な地位を持つ製品を1つ持っていことで、他の製品を展開しやすいというメリットは大きいでしょう。

取り扱い商品は食料品であることから景気の動向に左右されにくいです。粗利率も高く、海外事業は成長も期待できることからキッコーマン株式会社は優良企業であると思います。

総合評価

以上を踏まえ筆者の株式会社キッコーマンの財務数値の評価は以下の通りです。

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