海外企業の分析

AMAZON.COM,INC.(アマゾン) 決算分析

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AMAZON.COM,INCってどんな会社?

AMAZON.COM,INCはアメリカ合衆国ワシントン州シアトルに本社を置くeコマース事業、クラウドコンピューティングサービス、各種サブスクリプションサービスの提供事業を行なっている会社です。2020年12月期の連結売上高は約39.7兆円、連結従業員数は約129万人の超巨大企業です。アマゾンの歴史は比較的新しく1994年にジョフ・ベゾス氏が「Cadabra,Inc」を設立したことに始まります。1995年に書籍のオンラインショップとしてAmazon.comがサービスを開始し、1997年にNASDAQへの上場を果たしました。

各種指標及び株価の推移

株価の推移

アマゾンの2020年12月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりとなっております。

株価は右肩上がりで推移しております。特に2020年に入ってからの伸びが著しいです。

損益計算書分析

アマゾンの2020年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。1ドルあたり103円で換算しています。

売上高は39.7兆円となっております。さすがは世界最大のECサイトを運営している会社ですね。利益も2.1兆円となっております。売上が非常に大きいため利益率としてはそれほど高くありませんが、すごい金額です。

売上高の内訳

アマゾンの2020年12月期の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

約半分がオンラインストアの売上となっております。

次いで大きいのがサードパーティー売上です。アマゾンで買い物をした時に、出品者から購入したことがある人は多いと思います。

フルフィルメント by Amazonという仕組みで出品者は売りたい商品をアマゾンの倉庫に預けておいて、アマゾンストアで販売することができます。梱包や配送もアマゾンに任せることができます。アマゾンは在庫リスクを外部に移転することができて手数料収入を得ることができるという仕組みです。

アマゾンは在庫リスクを負っていないため、売り上げは手数料部分のみ計上されていることが想定されます。手数料だけで8.2兆円もの売上があるためアマゾンストアでは出品者の商品の割合はかなり大きくなっていることが想定できます。

3番目に大きい金額を占めているのはAWS(Amazon web services)です。AWSは主に法人向けのサービスでクラウドコンピューティングサービスです。利用者は料金を払うことでアマゾンが提供するサーバー、ストレージ、セキュリティ、分析ツール等を利用することができます。アマゾンストアの売上が非常に大きいため目立っていませんがクラウドコンピューティングサービスの利用料で4.6兆円もの売上が計上されているのは驚異的です。

アマゾンの地域別の売上高は以下のとおりとなっております。

アマゾンが進出している国はそれほど多くありません。上記の通りアメリカ国内向けの売上が7割弱を占めており上位4カ国の売上だけで9割近くを占めていることが分かります。日本においてアマゾンの存在感はすごく大きいものとなっておりますが、アメリカでの売上は日本の10倍以上もあり、アマゾンがアメリカ人の暮らしに深く浸透していることが想像できます。

費用の内訳

アマゾンの2020年12月期における費用の内訳は以下のとおりとなっております。

費用で最も大きな金額を占めているのは売上原価となっております。原価率は約60%となっております。オンラインストアは原価率が高く、サードパーティ売上やAWSは原価率が低いことが想定されます。

フルフィルメントコストは物流センター、カスタマーサービスセンターの運営に関する費用や決済手数料が含まれております。

技術及びコンテンツ費用は研究開発関連の費用やAWSで使用しているサーバーやデータセンターに関する費用が含まれています。

販売促進費は広告宣伝やアフィリエイト関連の費用です。

費用の区分が独特で少しわかりにくいですが、巨大な物流センター、データセンターを抱えていることやパートタイムの従業員を含めれば100万人以上の従業員を抱えていることから売上原価以外の費用については固定費が大きい費用構造であることが想像できます。

貸借対照表分析

アマゾンの2020年12月期の連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

資産総額は約33兆円となっております。棚卸資産の回転期間は約1.2ヶ月、売上債権の回転期間は0.73ヶ月となっております。

有形固定資産について

資産の中で最も大きな金額を占めているのが有形固定資産です。内訳は以下のとおりとなっております。

器具備品が多くなっております。おそらくAWS事業で使用しているデータセンターやサーバー等の資産が計上されていることが想定されます。また物流センターは、自動化が進んでいるためマテハン設備等が計上されていると思われます。

物流センターの建物自体は賃貸が多いため使用権資産として計上されております。アマゾンの物流センターについて面積に関する情報が開示されていたので紹介します。全世界でアマゾンが所有または賃貸している建物の面積は以下のとおりです。

特に物流センター、データセンターの面積が大きくなっており、東京ドーム800個分に匹敵する面積となります。もっとわかりやすく言うと葛飾区よりも大きく江東区よりも小さいぐらいの面積を使用しております。

のれん

のれんは2017年にスーパーマーケットチェーンwhole foods marketを約1.3兆円で買収した際に約9,200億円発生しております。Amazonストア事業で生鮮食品にも力を入れていこうとしているのでしょう。

負債・純資産について

買掛金の回転期間は3.7ヶ月となっております。未払金が多くなっていますが、サードパーティー売上に関する出品者への未払金が主に計上されていることが想定されます。自己資本比率は約30%となっており財務体質は特に問題がなさそうです。

セグメント別分析

アマゾンは北米、北米以外、AWSの3つに事業を区分しております。2020年12月期のセグメント別の業績は以下のとおりとなっております。

北米事業が最も売上が大きくなっております。北米以外については利益率が低くなっております。北米以外の事業については2019年12月期まで赤字で、やっと黒字に転換したという状況です。売上規模は小さいもののAWS事業が最も利益を稼いでいます。AWS事業の業績の推移は以下のとおりです。

売上、利益が共に綺麗な右肩上がりで推移しております。クラウド関連の事業は成長が著しい分野ですから今後もしばらくは成長基調で推移していきそうです。有形固定資産で建設仮勘定が約1.5兆円計上されておりました。売上の成長に合わせてデータセンター等のクラウド設備への投資が進められていることが想定されます。

まとめ

今回は世界最大のEC事業を展開するAmazon.com, Inc.を取り上げました。GAFAの一角に数えられるだけあり企業規模は桁違いでした。インターネット通販の会社のイメージが強かったのですが現在の稼ぎ頭はAWSです。クラウドコンピューティングサービスは規模と集客力が競争力の源泉だと思います。アマゾンはそのどちらも兼ね備えておりこの分野でアマゾンが負ける未来が全く想像がつきませんし、今後も大きく伸びることが期待できます。

総合評価

以上を踏まえ筆者のAmazon.com,Incの財務数値の評価は以下の通りです。

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