クアルコムってどんな会社?
会社概要
クアルコムの会社概要は以下のとおりです。
- 本社所在地:カリフォルニア州
- 設立:1985年
- 事業内容:通信機器の開発、販売事業
- 売上高:335億ドル(2021年9月期)
- 従業員数:約45,000人
株価の推移
クアルコムの2021年9月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。
株価は2020年ごろから大きく上昇していることが分かります。
損益計算書分析
クアルコムの2021年9月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。
粗利率は57.5%、営業利益率は29.2%と非常に収益性が高いことが分かります。販管費が約1兆円となっておりますが、そのうち約8,000億円は研究開発費です。
売上高の内訳
クアルコムの2021年9月期の売上高の内訳は以下のとおりです。
最も大きな割合を占めているのはHandsetsとなっております。Handsetsは携帯電話関連の通信機器の売上です。5Gの需要があり大きく伸びている分野です。
RFTEは通信関連の用語のようですが、内容はよく分かりませんでした。
IOTやAutomotiveは今後も成長が期待できる分野です。
QTLはQualcomm Technology Licensingの略でライセンス収入です。クアルコムは通信に関する特許を多く持っております。ライセンス収入は原価がほとんどかからないことが想定されます。クアルコムの利益率の高さは、このライセンス収入が大きな要因です。
業績の推移
クアルコムの2021年9月期の過去5年間の業績の推移は以下のとおりとなっております。
2021年9月期は売上、利益ともに大きく飛躍しました。新型コロナウィルスによる低迷からの反動があったことと、5G関連の売上が大きく伸びたことによるものです。
2017年、2018年に利益が大きく落ち込んでいます。独占禁止法関連の制裁金の支払いや、オランダの半導体会社の買収を断念したことによる違約金の支払いがあったことにより大きく落ち込んでいます。
クアルコムの2021年9月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。
- ライセンス収入が多く利益率が高い
- 研究開発に巨額の投資をしている
貸借対照表の分析
クアルコムの2021年9月期のの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。
資産総額は4.5兆円となっております。売掛金の回転期間約1.2ヶ月、棚卸資産の回転期間は2.7ヶ月です。
資産で最も大きい金額を占めるのはのれんです。クアルコムは買収にも積極的です。
自己資本比率は24.1%となっております。2018年9月期に約3兆円の自社株買いを実施したこともあり自己資本比率はあまり高くありません。
まとめ
今回は通信機器の開発、販売事業を行うクアルコムを取り上げました。独占禁止法で制裁を受けてしまうほど、市場シェアが高く利益率が非常に高い会社です。5G、IOT、といった分野では通信は不可欠ですから今後も成長が大いに期待できる会社だと思います。
総合評価
以上を踏まえ筆者のクアルコムの財務数値の評価は以下の通りです。