海外企業の分析

Netflix, Inc(ネットフリックス) 決算分析

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Netflix, Incってどんな会社?

Netflix, Incはカリフォルニア州に本社を置く動画配信、映像コンテンツの製作事業を行なっている会社です。1997年にリード・ヘスティングスとマーク・ランドルフによって設立されました。創業当初はオンラインでのDVDレンタルサービス事業を行なっており定額で借り放題のサービスを売りにして規模を拡大していきまし、2002年にNASDAQへの株式上場を果たしました。2007年から現在の主力事業であるストリーミング配信事業を開始し現在では190カ国以上で事業を展開しております。

株価の推移

Netflix,Incの2019年12月期から過去5年間の株価の推移は以下の通りとなっております。

2015年から2018年の前半にかけて株価は上昇傾向にありましたが、上げ止まり傾向にあることが分かります。

損益計算書分析

Netflix,Incの2019年12月期の連結損益計算書の概要は以下の通りです。ネットフリックスはアメリカの会社ですのでドル建てで財務諸表を作成しております。今回の分析では1ドル110円で換算しております。

売上高は約2.2兆円となっております。売上高の内訳は以下の通りです。

以上の通りほとんどがストリーミング売上が占めていることが分かります。創業当初から行なっているDVDレンタルの売上の割合はわずか1.5%で縮小傾向にあります。ストリーミング売上の地域別の内訳は以下の通りです。

アメリカ・カナダ地域の売上が約半分を占めております。アジア向けの売上は全体の7.4%ですが、急拡大傾向にあります。

粗利率について

粗利率の推移は以下の通りです。

売上高は徐々に急増傾向にあるものの、粗利率はそれほど伸びていないことが分かります。売上原価は変動費の性質が強い費用であることが分かります。

販管費について

ネットフリックスの過去5年間の販管費の推移は以下の通りです。

売上の増加とともに販管費も大きく増加していることが分かります。販売費は主に広告宣伝費です。会員数を増やすために世界中で広告を出しており巨額の費用がかかっているようです。

ネットフリックスは、ユーザーインターフェイスやストリーミング技術の改善に関する研究開発を行なっているようです。正直これらの技術に約1,700億円もの費用がかかるのかとも思いますが、何か画期的な技術開発をしているのかもしれないですね。

貸借対照表分析

Netflix, Incの連結貸借対照表の概要は以下の通りです。

資産の部ではコンテンツ資産が大きな金額を占めていることが分かります。コンテンツ資産はネットフリックスで配信している映像コンテンツを自社で製作したり、買い取ったりライセンスを受けることによって調達しております。

コンテンツ資産について

コンテンツ資産の内訳は以下の通りです。

以上の通り自社制作コンテンツの資産も約1兆円計上されております。この金額を見ると、ネットフリックスは配信サービスの提供者であると同時に、映像コンテンツの製作社としての側面も持っていることが分かります。世界に1億6000万人以上の会員がいるため、映像コンテンツの製作にこれだけ巨額の費用を投じられるのです。

このコンテンツ資産は減価償却を行なっております。コンテンツ資産の計上額と減価償却費の推移は以下の通りです。

コンテンツ資産は視聴パターンの見積もりに基づいて減価償却を行なっているようです。コンテンツ資産と、減価償却費の計上額から逆算すると耐用年数は2年〜3年程度で償却を終えていることが推定できます。またコンテンツ資産の償却費は売上原価の7割以上を占めており業績に大きな影響を与える箇所となっております。

まとめ

今回は動画配信、映像コンテンツの製作事業を行なっているNetflix.Incを取り上げました。日本では5年前ぐらいからネットフリックスの名前を聞くようになり、最近ではかなりの割合の人が会員になっているように感じます。今回決算の分析を行って感じたことは、映像配信ビジネスは規模の経済が働くビジネスモデルであるということです。会員が多ければ、映像コンテンツの取得や製作により多くの費用を使うことができ、魅力的な映像コンテンツによって会員数が増えるという好循環が生まれるということです。現状でも映像コンテンツの取得に兆単位の資金を投下することができており、今後も会員数は増加することが見込まれます。詳細は分かりませんがアマゾンプライムも映像コンテンツの取得には同じぐらいの金額を投じていることでしょう。巨額の資金が参入障壁となり、新規参入でネットフリックスやアマゾンプライムと互角に戦う企業は今後出てこないのではないかと思います。

ネットフリックスの会員数の過去5年間の推移は以下の通りです。

会員数は毎年20%近く増加しており2019年12月時点では約1.6億人となっております。世界人口は77億人で、そのほとんどが何らかの形で映像コンテンツの視聴者ですから、まだまだ会員数の伸びしろは十分にあるのではないかと思います。

総合評価

以上を踏まえ筆者のネットフリックスの財務数値の評価は以下の通りです。

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