日本企業の分析

株式会社ZOZO 決算分析

株式会社ZOZOってどんな会社?

会社概要

ZOZOの会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:千葉県千葉市
  • 設立:1998年
  • 事業内容:ファッションECサイト「ZOZOTOWN」の運営事業
  • 売上高:1,474年
  • 従業員数:1,297人

2019年にZホールディングス(ヤフー)の子会社となっております。

株価の推移

ZOZOの2021年3月期から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。

非常に値動きが激しい銘柄であることがわかります。

損益計算書分析

ZOZOの2021年3月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

もう少し詳しい損益計算書はこちら

粗利率が95%と非常に高くなっています。これはZOZOのビジネスモデルが大きく関連しています。ZOZOの売上高の大部分を占めるのは「受託ショップ」売上となっております。

ZOZOは基本的に在庫をもっておらず、各ブランドから商品を預かっています。ZOZOは商品の発送はもちろん、撮影、採寸、カスタマーサポートといったサービスを行いブランドから手数料を受け取っています。そのため、販売商品の原価は売上原価に計上されないため原価率が非常に低くなっております。

次は費用の大半を占める販管費を見ていきましょう。

販管費の内訳

ZOZOの販管費の内訳は以下のとおりとなっております。

荷造運搬費が3割弱を占めています。ZOZOでは利用者から送料として210円とっているようですが、当然210円では足りず、ZOZOが大半を負担していることがわかります。

人件費は、物流センターの運営に関する人員が大きな割合を占めていることが想定されます。

代金回収手数料はクレジットカード会社に対するものだと思います。ZOZOTOWNでの買い物では大半はクレジットカード決済でしょうから、取り扱い金額の数パーセントはクレジットカード会社に手数料として支払っていることが推定できます。

業績の推移

ZOZOの2021年3月期から過去5年間の業績の推移は以下のとおりです。

売上は順調に伸びてきていることがわかります。一方で利益の方は2019年に一度減少に転じています。有料会員サービス、ZOZOSUITの失敗、海外事業からの撤退といったマイナス要因が重なり利益が減少してしまいました。

しかし新型コロナウィルスによる引きこもり需要もあり2021年3月期は売上、利益共に大きく伸びていることがわかります。

ZOZOの2021年3月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。

貸借対照表の分析

ZOZOの2021年3月期のの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

資産総額は1,256億円となっております。そのうち約半分を現預金が占めております。ご覧の通り棚卸資産は約18億円となっており、在庫はほとんど所有していないことがわかります。

有形固定資産は、本社と物流センターに関するものが計上されています。

自己資本比率は約44%となっており財務体質は健全です。

まとめ

今回はZOZOTOWNの運営事業を行う株式会社ZOZOを取り上げました。ZOZOTOWNは利用者が多かったり、株価の値動きが大きかったりということで何かと注目されやすい会社です。損益計算書を見ると非常に収益性の高い会社です。在庫リスクを負わず出店者であるブランドから手数料を受け取るというビジネスモデルを採用しています。アパレルは通常原価率が低いため、高い手数料を取りやすい業界であるということも相まって高い利益率を実現しています。売上は今のところ順調に伸びていますが、今度この成長がどこまで続くかに注目です。

総合評価

以上を踏まえ筆者の株式会社ZOZOの財務数値の評価は以下の通りです。