日本企業の分析

東宝株式会社 決算分析

東宝株式会社ってどんな会社?

会社概要

東方株式会社の会社概要は以下のとおりです。

会社の概要
  • 本社所在地:東京都千代田区
  • 設立:1932年
  • 事業内容:映画、演劇、不動産事業
  • 売上高:1919億円(2021年2月期)
  • 従業員数:3,305人(2021年2月)

株価の推移

東宝株式会社の2021年2月から過去5年間の株価の推移は以下の通りです。

株価は緩やかに上昇傾向にあることがわかります。

損益計算書分析

東宝株式会社の2021年2月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

もう少し詳しい損益計算書はこちら

売上高は1919億円、粗利率は35%、営業利益率は11.6%となっております。

売上高の内訳は以下の通りです。

東宝は映画の会社というイメージが強いです。映画事業の売上が約60%占めていますが、不動産事業の売上も約35%を占めています。古くから映画館を運営しており、一等地に土地を所有しているようです。

販管費の内訳

東宝の2021年2月期の販管費の内訳は以下のとおりとなっております。

販管費については特筆すべき点は見当たりません。

新型コロナウィルスによる業績への影響

東宝の2020年2月期と2021年2月期の事業別の業績は以下の通りとなっております。

2021年2月期は鬼滅の刃の大ヒットがありましたが、新型コロナウィルスの影響を大きく受けて映画事業は大幅な減収となりました。一方で不動産事業は売上、利益ともにほとんど変動していないことがわかります。

参考情報

映画事業は新型コロナウィルスの影響を大きく受けましたが、2021年2月期は黒字を確保しています。それは映画事業の費用構造に起因しているのではないかと思います。以下は東宝株式会社の単体決算の売上原価の内訳です。

売上原価で最も大きな金額を占めているのは配分金となっております。これは主に映画の制作会社への支払いであることが想定されます。映画の興行収入に応じて支払われるため変動費となります。変動費が大きいため黒字を確保できたのだと考えられます。

過去の業績の推移

東宝の2021年2月期から過去5年間の業績の推移は以下のとおりとなっております。

新型コロナウィルスによる影響を受ける前は安定的に推移していたことがわかります。

東宝の2021年2月期の損益計算書のポイントは以下のとおりです。

貸借対照表の分析

2021年2月期のの連結貸借対照表の概要は以下のとおりとなっております。

最も大きな金額を占めるのは有形固定資産となっております。映画館の土地建物や、不動産事業として賃貸しているオフィス等が計上されています。

投資有価証券も1,134億円計上されています。テレビ局や広告代理店の株式をたくさん保有しているようです。自己資本比率は約82%となっており財務体質は非常に健全です。

まとめ

今回は東宝株式会社を取り上げました。新型コロナウィルスの影響を大きく受けて主力事業の映画事業は業績が悪化してしまいましたが、不動産事業が下支えをして黒字を確保しています。今後もしばらくは新型コロナウィルスの影響は続くことが予想されますが、十分生き抜くことができそうです。

テレビはNetflix等の新しい映像メディアとの競争により、衰退の兆候が見られますが、映画は比較的堅調に推移している印象です。今後の成長はいかにいい映画を製作できるかが鍵となるため、今後も素晴らしいコンテンツを生み出してくれることを期待したいです。

総合評価

以上を踏まえ筆者の東宝株式会社の財務数値の評価は以下の通りです。