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カフェチェーンの明暗 コロナで際立つコメダの安定感

大手カフェチェーンの決算の比較

飲食業界は新型コロナウィルスの影響を受大きく受けて業績が急激に悪化しております。好調だったカフェチェーンも例外ではありません。今回はドトール・日レスホールディングス、サンマルクホールディングス、コメダホールディングスの3社の決算を比較していきたいと思います。

3社の第2四半期決算の状況

3社の2021年3月期の第2四半期の業績は以下の通りとなっております。(ドトールは2月決算です。)

比較のために前年同期の業績も見てみましょう。

ドトール、サンマルクが売上を大きく落として赤字に転落している中でコメダは持ちこたえているように見受けられます。

過去1年間の株価の推移を見ると、最も安かったコメダの株価は現在では最も高くなっています。

一体なぜ他のカフェチェーンの業績が落ち込む中でコメダは持ちこたえているのでしょうか。

逆境に強いフランチャイズ方式

カフェチャーン3社がコロナ禍でここまで明暗が別れたのは、出店方式の違いによるものです。以下は3社の直営店とフランチャイズ店の店舗数内訳です。

ドトールは2020年2月末時点(海外除く)、サンマルク、コメダは2020年3月末時点の店舗数

上記の通りドトールとサンマルクは、多くの直営店を持っているのに対してコメダ珈琲は直営店が50店舗しかなく、フランチャイズ店の割合が約95%をを占めております。

フランチャイズ方式のメリット

フランチャイズ方式は加盟するお店が本部の看板や商品を使って商売をさせてもらう代わりに本部にロイヤリティを支払う仕組みです。

例えばあなたがカフェをオープンしようとしているとしましょう。いきなり〇〇カフェという、あなた独自のお店を出したとしてもお客さんはすぐには来てくれないでしょう。しかしコメダ珈琲の看板を使って、コメダ珈琲のメニューを提供できればすぐにお客さんが集まります。コメダ珈琲の看板を使わせてもらっている対価としてロイヤリティを支払うのがフランチャイズ方式の大まかな説明です。

フランチャイズ方式を採用する最大のメリットは固定費が少なくて済む点です。以下は3社の従業員数と有形固定資産の計上額です。

上記の通りコメダは店舗数の割に従業員数が少なく有形固定資産の計上金額も小さくなっております。コロナの影響で休業を余儀なくされたとしてもその期間の人件費や賃料といった固定費はフランチャイズオーナーが負担することになります。フランチャイズ方式中心に店舗展開をしているコメダは逆境に強いビジネスモデルを取っていることが分かります。

フランチャイズが万能なビジネスモデルといわけではありません。逆境に強い一方で、事業環境が好調な状況では直営方式の方がメリットがあります。フランチャイズの場合、逆境の時にフランチャイズオーナーが損失を負担する一方で、好調な時にはフランチャイズオーナーと利益を分け合うことになります。費用構造から考えると直営方式はハイリスクハイリターン、フランチャイズ方式はローリスクローリターン型のビジネスモデルであると言えます。

まとめ

今回は大手カフェチャーンのビジネスモデルの違いが業績に与える影響を解説してきました。今回取り上げた3社のように一見して商品や提供しているサービスが同じであり似ているように思える会社であっても、採用している戦略やビジネスモデルの違いにより内情は大きく異なる会社は少なくありません。就職先、投資先、取引先を選定するにあたりその会社が提供している商品、サービスだけではなく、ビジネスモデルにも目を向けることが大切です。