日本企業の分析

KDDI株式会社 決算分析

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KDDI株式会社ってどんな会社?

KDDI株式会社は東京都千代田区に本社を置く電気通信事業会社です。2020年3月期の連結売上高は5兆2,372億円、連結従業員数は44,952人の大企業です。KDDIは1985年に電気通信事業法が施行され、通信の自由化がされたことにより第二電電企画株式会社として事業をスタートしました。他にも電力会社や大手メーカー、商社等が続々と通信事業に参入しました。その後複数回の合併等による統合を繰り返し現在の巨大通信会社のKDDIとなりました。

各種指標及び株価の推移

株価の推移

KDDI株式会社の2020年3月から過去5年間の株価の推移は以下のとおりです。

株価は安定して推移していることが分かります。

各種指標(2020年3月時点)

株価収益率(PER)11.5倍 

株価純資産倍率(PBR)  1.6倍

株価収益率と株価純資産倍率は標準的で市場からは一定の評価を得ている銘柄であるようです。

損益計算書分析

KDDI株式会社の2020年3月期の連結損益計算書の概要は以下の通りとなっております。

粗利率は約44.1%、営業利益率は19.5%となっており非常に収益性が高くなっております。

売上高の内訳

KDDI株式会社の2020年3月期の売上高の内訳は以下のとおりとなっております。

KDDIは個人向けのパーソナル事業と事業者向けのビジネス事業の2つの事業を行なっております。パーソナルで最も大きい金額を占めているのはARPA収入となっております。ARP収入はAverage revenue per accountの略で主に個人向けの携帯料金に関する収入です。固定通信は光ファイバーやCAテレビといった家庭用の通信事業です。その他は主に携帯端末に関する売上だと思います。

MVNO収入について

MVNOとはMovie Virtual Network Operatorの略でいわゆる格安SIMに関する収入です。格安SIMの会社はKDDI等の通信会社の設備を借りて顧客にサービスを提供しております。KDDIは通信設備の使用料をMVNO収入として計上しております。

au契約者数とMVNO契約者数の過去5年間の推移は以下のとおりです。

格安SIMの契約者は右肩上がりで増加していることが分かります。一方でauの契約者は減少傾向にあることが分かります。少しずつですが、格安SIMへの切り替えが進んでいることが分かります。

費用の内訳

KDDI株式会社の2020年3月期の費用(売上原価、販管費)の内訳は以下のとおりとなっております。

最も大きい金額を占めているのは端末販売原価、修理原価です。一昔前は携帯電話会社は端末の赤字販売により顧客を獲得して通信料金で回収するといったビジネスモデルでしたが、当局からの指導により適正価格で端末を販売しています。そのため端末販売からもそれなりに利益が出ているのではないかと思います。端末販売原価は変動費の性質が強い費用です。

次いで大きな金額を占めているのは減価償却費と通信設備使用料です。日本中にインターネットや電話設備を維持するために巨額の設備投資をしていることが分かります。また通信設備使用料は他社の設備を使用する際に支払うものですから通信会社間で設備を融通しあっていることが分かります。これらの費用は固定費の性質が強い費用です。

電力小売販売原価は電力の自由化に伴い参入したauでんきに関する費用でしょう。こちらは変動費の性質が強い費用です。

貸借対照表分析

KDDI株式会社の2020年3月期の連結貸借対照表の概要は以下の通りとなっております。

営業債権は約2.1兆円と非常に大きく、回転期間は約5ヶ月となっております。携帯端末は分割払いで販売している場合が多く、回転期間は長くなっているのでしょう。

固定資産の計上額は2.4兆円となっており内訳は以下の通りです。

やはり通信設備の計上額が大きいことが分かります。2020年3月期の減価償却費は約6,899億円となっております。通信の分野は技術革新は日進月歩であり償却期間も短くなっているようです。

預金事業の貸付金、預金が計上されております。こちらは2019年4月に子会社化したauじぶん銀行で計上している預金と貸付金です。決算公告によるとauじぶん銀行の2020年3月期の決算は18億円の黒字となっております。直接利益には、それほど貢献していないもののフィンテック分野は成長分野ですので今後に期待したいです。

セグメント別分析

KDDI株式会社は個人向け事業のパーソナルと事業者向け事業のビジネスの2つを報告セグメントとして識別しており、各セグメント別の業績の概要は以下のとおりです。

事業者向けは、法人契約の携帯電話のほか、IOTやクラウド事業も行っているようです。利益率はパーソナルもビジネスも20%程度となっております。

まとめ

今回は携帯キャリアの大手3社の一角を担うKDDI株式会社を取り上げました。粗利率、営業利益率が高く非常に収益性が高い会社であることが分かりました。数年前に政府から携帯料金の値下げ要請があった際に携帯各社は料金体系を変更したものの依然として高い利益率をキープしています。携帯各社としては政府からの要請はうまくかわしたようですが、今後も料金の値下げ要求は続くことが予想できます。3G通信から4G通信に切り替わった際には、携帯料金が一気に跳ね上がりました。今後5G通信に切り替わる際に料金を引き上げたいのが本音でしょうが、政府からの圧力で値上げは厳しいかもしれません。良くも悪くも今後の業績は政府次第でしょう。

総合評価

以上を踏まえ筆者のKDDI株式会社の財務数値の評価は以下の通りです。

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