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テスラVS日系自動車メーカー 決算数値から分析

テスラとマツダの概要

今まで世界を席巻してきた日本の自動車電メーカーですが、自動車業界は100年に一度の大変革の時代を迎えていると言われており、しばらくは守勢が続きそうです。対して日系メーカーに対抗する勢力の中で今最も勢いのあるメーカーは電気自動車のテスラでしょう。今回は日系自動車メーカーとテスラを財務諸表の観点から比較していきます。

日系自動車メーカーのうち比較対象はマツダを選びました。2社の概要は以下のとおりです。(今回の分析ではテスラの財務数値については1ドルあたり110円で換算しております。)

売上、総資産が比較的近いためマツダを選んでおります。今回はテスラとマツダの損益計算書と貸借対照表を様々な観点から分析をしていきます。

損益計算書の比較

テスラとマツダの粗利率は以下のとおりです。

粗利率についてはマツダの方が約5%高くなっております。一台あたりの価格はテスラの方が圧倒的に高いにもかかわらず、マツダのほうが粗利率が高くなっております。テスラの電気自動車は大容量のリチウムイオンバッテリーを使用しておりバッテリーが原価率を高くしているのでは無いかと思います。

販管費と研究開発費の比較

販管費はマツダの方が大きくなっております。テスラの販管費の内訳は開示されておりませんので詳細はわからないのですが、マツダは広告宣伝費に1,243億円計上、販売促進費に574億円が計上されております。テレビCMや販売店へのリベート等に大きな金額がかかっているのだとおもいます。

研究開発費の計上額はテスラの方が大きい金額計上されておりますが、それほど差はありません。ただ、マツダの方は内燃機関のエンジン等の既存技術の改良等に関する研究開発がメインになると思いますので、自動運転等の先進技術への投資はテスラの方が力を入れていることが想定できます。従業員数はテスラが約4万8千人、マツダが約5万人とほとんど同数となっております。イメージではテスラの方が断然少ないことを想定していたのですが意外でした。まだまだ生産は人の手によって行われているのでしょうか。

貸借対照表の比較

テスラとマツダの資産の部の内訳は以下のとおりとなっております。

資産総額はテスラが3.7兆円、マツダが2.7兆円となっておりテスラの方が1兆円程度大きくなっております。しかしテスラは自動車事業のほかに太陽光発電事業も行っており、太陽光発電設備が6700億円計上されております。それを除けば2社の総資産の規模はそれほど変わりません。

最も大きな金額を占めている有形固定資産を見ていきましょう。

有形固定資産の比較

テスラとマツダの有形固定資産の内訳は以下のとおりとなっております。

区分方法が違うため明確に比べることはできませんが、総額としては概ね同額が計上されております。しかしテスラの方は、機械装置や工具器具といった生産設備の計上額が多くなっており、これらの資産は耐用年数が短いため減価償却費が大きくなっております。

棚卸資産の比較

続いて棚卸資産について見ていきましょう。テスラとマツダの棚卸資産の内訳は以下の通りとなっております。

棚卸資産の計上額の総額は大きな差はありませんが、内訳は大きく異なっております。製品在庫はテスラの方が小さくなっております。バックオーダーを多く抱えているため完成車の在庫は少ないのでしょう。一方で原材料はマツダが小さくなっております。日本の自動車メーカーはジャストインタイムという生産方式で原材料の在庫を抱えていないようにしており、決算書からも不要な在庫を極力持たないようにしている努力が見て取れます。

まとめ

今回は今最も勢いのある電気自動車メーカーのテスラとマツダの比較をしました。決算書を見る限りでは、それほど大きな違いがあるようには思えなかったというのが正直な感想です。生産設備について、EVであってもガソリン車であっても同じぐらいの投資が必要なようですし、従業員数も同じぐらいでした。テスラの方が一台あたりの価格が圧倒的に高いにもかかわらず利益率は低くなっています。そのため価格競争力という点ではま、だまだガソリン車の方が優位に立っていると言えます。おそらくテスラの購買層は富裕層で、珍しさから買っている人が多いのでは無いでしょうか。価格面で優位に立てない状況ではテスラに次ぐ新規参入は難しいのではないかと思います。バッテリー価格が落ちない間はガソリン車優位の状況は続いていくでしょう。