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ヤオコーVSベルク 決算数値から分析

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普段は一つの会社を取り上げて財務諸表の分析をしている当ブログですが今回は少し視点を変えて2社の決算数値の比較をしていきたいと思います。記念すべき?第1回は大手スーパーマーケットチェーンのヤオコーとベルクの比較です。実は筆者はどちらのスーパーも行ったことがありません。どちらのスーパーにも行ったことがない私が客観的な立場で財務数値を元に2社の比較をしていきたいと思います。

まず始めに2社の概要を見ていきましょう。

株式会社ヤオコーってどんな会社?

埼玉県比企郡小川町で総合食品店を営んでいた川野清三が1957に有限会社八百幸商店を設立しました。その後事業を拡大し1993年に東証2部に上場を果たしました。2019年2月期現在埼玉県を中心に161店舗を展開しております。
売上高は3,641億円で、現在は東京一部に上場しております。

株式会社ベルクってどんな会社?

1957年に原島善一が主婦の店秩父店を設立し営業を開始しました。その後事業を拡大し2004年にジャスダックに上場を果たしました。2019年2月期現在埼玉県を中心に111店舗を展開しております。売上高は2,228億円で、ベルクも現在は東証一部に上場しております。

どちらも1957年に設立された会社のようですが株式上場はヤオコーの方が早く、店舗数と売上高もヤオコーの方が大きいようです。事業拡大のスピードはヤオコーに軍配が上がります。

粗利率の比較

埼玉県在住の主婦の方必見!?いきなり一番気になる粗利率を見ていきましょう。これを見れば仕入れ値にどれだけ利益をのせて販売しているかが一目瞭然です。気になる2社の粗利率は以下の通りです。

ヤオコーの方が粗利率は2%以上高くなっています。主婦目線で見ればベルクの方がお買い得なスーパーマーケットと言えます。一方で投資家目線ではヤオコーの方が収益性が高いという見方になるでしょう。

ひとつ注意点があります。粗利率の比較ですので売っている商品の価格を比較しているわけではありません。ヤオコーの方が粗利率が高いです。それは購買担当者の交渉力でメーカーから安く仕入れることができたり、惣菜や生肉鮮魚の加工プロセスで原価低減の努力の結果原価が低くなっているのかもしれません。しかし仮に仕入値が同じであればベルクの方がお買い得と言えます。

店舗あたりの売上高

ヤオコーとベルクの一店舗当たりの売上高は以下の通りとなっております。

一店舗当たりの売上高はヤオコーの方が大きくなっております。ヤオコーの方が大型の店舗が大きいと言えるでしょう。

ちなみにスーパーマーケットは基本的に年中無休ですから上記の1店舗当たりの売上高を365で割ると1日当たりの売上高を算定することができます。ヤオコーの場合は2,262百万円/365日=6,19百万円となります。スーパーの1日の売上はだいたい6百万円ぐらいと言うことがわかりました。豆知識として覚えておくと役に立つかもしれません。

従業員一人当たりの売上高

ヤオコーとベルクの従業員一人当たりの売上高は以下の通りとなっております。

従業員一人当たりの売上高はベルクの方が約1000万円も大きくなっております。意外と差が大きくて驚きました。ベルクの方が効率的に店を回せているようです。見方を変えればヤオコーのほうがレジが空いているかもしれません。

ちなみに社員とアルバイトの比率は以下の通りとなっております。

ベルクの方がヤオコーよりも社員の割合が大きくなっています。ベルクは少数精鋭のようです。

売上高に対するポイント引当金の割合

スーパーマーケット業界でもほとんどの企業でポイントカードを導入しています。ポイントが3倍つく曜日を狙ってお米等の高い商品を買っている方も少なくはないでしょう。次はポイントサービスの観点から両社の比較をしていきましょう。

ヤオコーとベルクの売上に対するポイント引当金の割合は以下の通りです。

ポイント引当金は決算日時点でお客さんが持っているポイントから期限切れ等で失効すると予想される分を差し引いて負債として計上している金額となります。

つまり売上に対するポイント引当金の割合が大きいほどポイントサービスが充実していると見ることができます。上表を見るとヤオコーの方がベルクよりも売上に対する割合が倍以上も大きくなっていることがわかります。つまりポイントサービスはヤオコーの方が充実しているようです。粗利率はベルクの方が低かったものの、その分ヤオコーはポイント還元率が高いと見ることができます。 

株式市場からの期待

最後にヤオコーとベルクの株式市場の評価はどのようになっているのでしょうか。2社の株価収益率と株価純資産倍率を見ていきましょう。

上記の通り株価収益率、株価純資産倍率は共にヤオコーの方が高くなっており、株式市場の評価はヤオコーに軍配が上がります。といってもベルクも2つの指標は比較的高くなっております。2社とも人口が増加している埼玉県を中心に事業を展開しており、市場からの期待はあるようです。

まとめ

今回は埼玉県を中心に展開するスーパーマーケットチェーンのヤオコーとベルクを比較してみました。決算数値を見る限りではベルクのほうが人件費を抑えて、その分低価格戦略をとっているように読み取れました。その一方でヤオコーは従業員をたくさん雇いサービスを充実させたり、ポイントによる還元を増やして客を集める戦略をとっているようです。

おまけ

ヤオコーの有価証券報告書の中で商品カテゴリー別の販売実績と仕入実績が公表されておりました。仕入実績を販売実績で割ることで原価率を概算することができます。その結果が以下の通りです。

商品カテゴリーによって原価率が大きく変わっていることがわかります。特にデリカ食品(惣菜)は原価率が低いようです。その一方で加工食品は全く同じ商品を他のスーパーでも売っているため価格競争が激しく原価率が高くなっているようです。

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